フィンテック企業の株式会社5coreの「海外バイナリーオプション大学」が投稿する「海外のバイナリーオプションで取引した際の税金の扱いや確定申告」の記事を、当事務所代表の野村真一が監修しました。記事では、海外のバイナリーオプションで得た利益が税金の対象になるか、確定申告のときに何に注意すべきかについてコメントしています。
「海外の業者で取引して利益が出たけれど、日本で申告が必要なの?」「国内のFXと同じように20%の税金で済むと思っていた」。海外の取引は情報が少なく、税金の扱いを誤解しているケースも少なくありません。
結論からお伝えすると、海外の業者との取引で得た利益は、原則として総合課税の「雑所得」になり、ほかの所得と合算して累進税率で課税されます。国内の登録業者との取引のような申告分離課税(一律の税率)や、損失の繰越しは使えません。利益が出たら、出金していなくても申告が必要になる場合があることも押さえておきましょう。
この記事でわかること
- 監修した外部記事の概要
- 国内の登録業者と海外の業者で、税金の扱いがどう違うか
- 海外取引の利益を確定申告するまでの流れ
- 税理士の視点から見た、取引と申告の注意点
監修した記事の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社5core |
| 掲載サイト | 海外バイナリーオプション大学 |
| 記事名 | 海外のバイナリーオプションで取引した際の税金の扱いや確定申告 |
| 監修者 | 野村真一(税理士・野村税理士事務所 代表) |
| 監修の内容 | 海外のバイナリーオプションで得た利益の課税対象、確定申告時の注意点についてのコメント |
監修では、海外の取引で得た利益の所得区分(どの種類の所得になるか)、税率の考え方、確定申告の要否が、国税庁の取扱いと食い違っていないかを中心に確認しました。記事の詳しい内容は、掲載先のサイトでご確認ください。
ここからは、記事のテーマについて、国税庁などの公的な情報で確認できる範囲の要点と、当事務所としての補足をまとめます。なお、本記事は取引や特定の業者をすすめるものではありません。
国内の登録業者と海外の業者で税金の扱いが違う

国税庁は、FX(外国為替証拠金取引)の課税について、取引の相手によって扱いを分けています。国内の金融商品取引業者(第一種金融商品取引業者)や登録金融機関を相手とする店頭取引などは「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税になり、それ以外の取引は総合課税の雑所得になります。
| 項目 | 国内の登録業者との店頭取引など | 海外の業者などとの取引 |
|---|---|---|
| 課税方式 | 申告分離課税 | 総合課税(ほかの所得と合算) |
| 税率 | 所得税15%+住民税5%(ほかに復興特別所得税) | 課税所得に応じた累進税率(住民税は10%) |
| 損益通算 | ほかの「先物取引に係る雑所得等」とだけ可能 | 雑所得の範囲内だけ可能 |
| 損失の繰越し | 翌年以後3年間繰り越せる | 繰り越せない |
出典:国税庁 タックスアンサーNo.1521「外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」(令和8年4月1日現在法令等)
バイナリーオプションもデリバティブ取引の一種で、一般に同じ考え方で整理されます。海外の業者との取引で利益が出た場合、給与所得などと合算した所得の金額によって税率が変わるため、所得の多い人ほど負担が大きくなります。また、事業所得や給与所得など、雑所得以外の所得の赤字・黒字と相殺することはできません。
海外取引の利益を確定申告するまでの流れ

海外の業者からは、国内の業者が交付するような年間の取引報告書が届かないことが多く、1年間(1月〜12月)の損益は自分で集計するのが基本です。
- 取引履歴を保存する:業者の管理画面から、年間の取引履歴や入出金の記録をダウンロードしておく
- 円に換算する:ドル建てなどの口座は、取引ごとのレートで円に換算して損益を計算する
- 経費を差し引く:取引のために直接かかった費用だけを必要経費にする
- 申告が必要か確認する:会社員など給与所得者は、給与以外の所得の合計が20万円以下なら所得税の確定申告が不要な場合がある(住民税の申告は別途必要)
- 確定申告をする:原則として翌年2月16日から3月15日までに申告・納税する

税理士の視点でのポイント

税金より先に、相手の業者を確かめる
金融庁は、日本で登録を受けずに金融商品取引業を行っている業者について、警告を行った業者の名称などを公表しています(金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」)。公表されていない業者でも無登録で営業していることがあり得るとして、注意を呼びかけています。出金できないなどのトラブルがあっても、国内の制度で保護を受けにくい点は理解しておく必要があります。
「出金していないから申告しない」は通らない
所得は、取引の損益が確定したときに生じます。利益を海外の口座に残したままでも、申告の対象になることがあります。反対に、業者とのトラブルで出金できなくなった場合の扱いは個別の判断が必要です。どちらの場合も、取引と入出金の記録を残しておくことが大切です。
申告漏れは後から大きな負担になる
申告をしなかったり、利益を少なく申告したりすると、本来の税金に加えて加算税や延滞税がかかることがあります。数年分の取引をさかのぼって整理するのは大変なので、利益が出た年のうちに集計しておきましょう。
まとめ

海外の業者との取引で得た利益は、原則として総合課税の雑所得です。国内の登録業者との取引のような申告分離課税や損失の繰越しは使えず、損益通算も雑所得の範囲内に限られます。利益は自分で集計し、必要に応じて確定申告をしましょう。
あわせて、取引の相手が日本で登録を受けた業者かどうかも、税金以前に確認しておきたいポイントです。監修した記事では、海外取引の確定申告の注意点をより詳しく紹介しています。
投資・副業の利益の確定申告でお悩みの方へ
野村税理士事務所では、会社員の方の副業や投資の利益を含めた確定申告のご相談をお受けしています。取引記録の整理の仕方や、所得区分・申告の要否の判断など、迷ったときは早めにご相談ください。事業をされている方には、毎月の数字をAIで分析する「AI月次分析レポート」もご用意しています。
参考資料:海外バイナリーオプション大学「海外のバイナリーオプションで取引した際の税金の扱いや確定申告」/国税庁 タックスアンサーNo.1521「外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」/金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」
※本記事は2026年9月時点の公表情報をもとに作成しています。特定の取引や業者をすすめるものではありません。具体的な判断は税理士等の専門家にご相談ください。

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野村税理士事務所代表 野村真一
税理士業界23年、野村税理士事務所代表でfreee認定アドバイザー。日本税理士会連合会、九州北部税理士会所属。認定経営革新等支援機関の認定事業者として事業再構築補助金の申請支援を行う。
YouTube・TikTokでは「税理士のむさん」として、税金・会計のポイントを短い動画で解説しています。
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