個人事業主の方にとって、「資金繰り」「キャッシュフロー」は常に頭を悩ませる課題です。そんな課題を解決できるかもしないのが「請求書カード払いサービス」です。このサービスを利用すれば、取引先への支払いをクレジットカードで行い、実質的な支払い期限を延長できます。資金繰りの改善に役立つだけでなく、審査不要で即日利用できるサービスが多いのも魅力です。さらにクレジットカードのポイントも貯まるため、個人事業主の強い味方といえるでしょう。
本記事では、おすすめの請求書カード払いサービス13選を徹底比較し、選び方のポイントも解説します。
請求書カード払いおすすめ13選を比較!即日使える人気サービス
まずは、代表的な請求書カード払いサービスを13社ピックアップしました。
それぞれ手数料率や対応カードブランド、支払い延長期間などに特徴があります。審査不要で即日利用可能なサービスも数多くあります。現在使用しているクレジットカードの種類や、支払額の大きさなどによって、どれが良いとは一概には言いにくいです。
細かい部分の差異で、よりご自身にあったサービスがあるはずですので、さがしてみましょう。
それぞれ順に解説します。
ゆとりペイ


手数料 | 2.9%(最低支払手数料990円) |
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利用対象 | 法人、個人事業主 |
対応カードブランド | VISA、Mastercard、JCB |
最大支払い延長期間 | 60日間 |
利用額(上限・下限) | 上限なし(カードの利用限度額内)、下限なし |
審査・必要書類 | 法人は特別な書類提出不要 個人事業主は本人確認書類のみ必要 |
社会保険料の支払い | 法人に限り厚生年金保険料や健康保険料などの社会保険料もカード払いが可能 ※Visa、Mastercard、JCB利用可 |
運営会社 | 株式会社デジタルマーケティングエージェンシー |
ゆとりペイは企業間取引における支払いに“ゆとり”を提供するBtoB決済サービスです。請求書の支払いをクレジットカードで行うことにより、最大60日間の支払い延長が可能となり、短期的な資金繰りの負担を軽減します。カード決済後は最短即日で振込が行われるため、取引先への支払いをスムーズに行えます。
ゆとりペイの特徴として、業界最安値の手数料2.9%(非課税)が挙げられます。ポイント還元率1%のカードを利用すれば、実質1.9%の負担。初期費用や月額費用は無料で、かかる費用は決済時の手数料のみです。ただし、1請求あたりの最低支払手数料は990円となっています。
ゆとりペイのメリットは、支払者側だけではありません。請求者側も、カード決済を支払手段として導入することで、入金遅れや未回収リスクを回避し、安定した取引が可能になります。
対応カードブランドはVISA、Mastercard、JCBの主要3ブランドで、カードの利用限度額内であれば利用可能です。法人ユーザーは社会保険料の支払いにも対応しており、クレジットカードでの納付が可能です。
LP 請求書カード払い


手数料 | 2.95%(最低支払手数料600円) |
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利用対象 | 法人、個人事業主 |
対応カードブランド | VISA、Mastercard、JCB |
最大支払い延長期間 | 60日間 |
利用額(上限・下限) | 上限なし(カードの利用限度額内)、下限なし |
審査・必要書類 | 法人は実質審査なし・追加書類不要、個人事業主は顔写真付き身分証明書のアップロードが必要 |
社会保険料の支払い | 厚生年金保険料や健康保険料などの社会保険料もカード払いが可能。ただし法人限定、JCB不可 |
運営会社 | 株式会社リンク・プロセシング |
「LP 請求書カード払い」は、業界最低水準の2.95%という手数料の安さが魅力です。さらに最低支払手数料も600円とこれも安いです。導入時の初期費用や月々の固定費が一切発生しないのも嬉しいポイントとなっています。申込みから即日利用可能で、手続きは最短1分で完了。「今すぐ何とかしたい!」という急な資金需要にも対応できます。支払い期限を最大60日まで延長できるので、資金繰りの改善に大いに役立つサービスといえます。
最初に請求書カード払いをとりあえず試してみたいときは、比較的おすすめできるサービスです。
SA請求書カード払い


手数料 | 振込依頼金額の一律4%(税別) |
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利用対象 | 法人・個人事業主 |
対応カードブランド | ・VISA、Mastercard ・セゾンカードが発行する AMERICAN EXPRESS / JCB / VISA / Mastercard ・三菱UFJニコスが発行する AMERICAN EXPRESS / VISA / Mastercard |
最大支払い延長期間 | クレジットカードの締め日・支払日に応じて最大60日間延長可能 |
利用額(上限・下限) | 1万円〜上限なし(カード会社の利用可能枠に準ずる) |
審査・必要書類 | カード会社の与信審査のみ。原則として書類提出不要 |
社会保険料の支払い | 可能 |
運営会社 | 株式会社サウスエージェンシー |
新しい仕入れ先との取引や突発的な設備投資、広告出稿など、ビジネスの現場では「今すぐ現金が必要」な瞬間が多く訪れます。そんなときに頼れるのがSA請求書カード払いです。お手持ちのクレジットカードで請求書の支払いができるので、資金が手元になくてもすぐに動くことができます。
利用できるのは、VISA・Mastercard・セゾンカード発行の多様なブランド。法人だけでなく個人事業主も対象で、社会保険料や外注費、家賃など幅広い経費に対応。カード会社への支払いは通常の引き落としタイミングになるため、最大60日間の資金繰り猶予も確保できます。
さらに、取引先にカード利用が知られない仕組みや、原則書類不要の簡単導入も人気の理由です。
支払い.com


手数料 | 一律4% |
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利用対象 | 個人事業主、中小企業、法人(1,000名を超える規模の法人も利用可能) |
対応カードブランド | Mastercard、VISA |
最大支払い延長期間 | 60日間 |
利用額(上限・下限) | 下限1万円、上限はカードの利用限度額内 |
審査・必要書類 | 審査不要、追加書類不要 |
社会保険料の支払い | 可能 |
運営会社 | 株式会社クレディセゾンと株式会社UPSIDERの共同運営 |
東証プライム上場企業のクレディセゾンが運営に関わる「支払い.com」は、信販会社が運営しているという信頼性の高さが特徴です。手数料は一律4%ですが、審査や担保が不要で、最短1時間程度で利用開始できます。特に関連会社のUPSIDERカードを使用すると最大1.5%のポイント還元が受けられるため、実質的な手数料負担を大きく軽減できるのも見逃せないポイントです。
セゾン系カードをすでにお使いの人、特にセゾンカードでポイ活をしている人には適しています。
マネーフォワード 請求書カード払い


手数料 | 個人事業主は4.0%(税別) |
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利用対象 | 法人、個人事業主 |
対応カードブランド | Visa、Mastercard、JCB |
最大支払い延長期間 | カードの利用金額引き落とし日まで |
利用額(上限・下限) | 上限なし(カードの利用限度額内)、下限なし |
審査・必要書類 | 請求書のみ、スマートフォンで申込み完結可能 |
社会保険料の支払い | – |
運営会社 | マネーフォワードケッサイ株式会社 |
会計ソフトでおなじみの「マネーフォワード」が提供するサービスで、スマホだけで手軽に申込みが完結するのが魅力です。マネーフォワードクラウド請求書と連携できるので、決済ステータスをリアルタイムで把握できるのは、ご多忙な事業主の方にもぴったりといえます。個人事業主向けの手数料は4.0%(税別)、10万円以下の利用の場合は一律3,000円です。
普段からマネーフォワードを使っている方なら、連携の手軽さは見逃せないポイントです。ただ、あえてこのサービスのために、今使っている会計ソフトまで入れ替えるのは相当な手間なので、そこは注意が必要です。
INVOYカード払い


手数料 | 支払額の3%(1万円未満の場合は一律300円) |
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利用対象 | 法人、個人事業主 |
対応カードブランド | VISA、Mastercard、JCB |
最大支払い延長期間 | 最大60日 |
利用額(上限・下限) | 上限なし、下限1万円 |
審査・必要書類 | 原則審査不要、請求書データのアップロードが必要 |
社会保険料の支払い | – |
運営会社 | FINUX株式会社 |
登録者数10万ユーザー以上、取引総額100億円以上という実績を持つ「INVOY」の最大の特徴は、なんと1件の決済に対して最大5枚までのカードを合算利用できる点です。「このカードはもう限度額いっぱいだけど、別のカードならまだ余裕がある」というときに便利ですよ。カードのランクアップは会費も高額化しますから、安いランクのカードを多数使うという作戦が取れるのは魅力的です。
カード発行手数料、年会費、月額利用料はすべて無料なので、全体的にコスト面での負担が少ないのも嬉しいところです。手数料も3%も比較的安めなので、うまくカードを使えば、最もコストを下げられる可能性もある請求書カード払いの方法です。
ラボル カード払い


手数料 | 3%(Visa、Mastercard)、3.5%(JCB) |
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利用対象 | 法人、個人事業主、フリーランス |
対応カードブランド | Visa、Mastercard、JCB |
最大支払い延長期間 | Visa・Mastercardは最長60日、JCBは最長55日 |
利用額(上限・下限) | 下限1万円、上限なし(カードの利用限度額内) |
審査・必要書類 | 原則審査不要、請求書データのアップロードが必要 |
社会保険料の支払い | – |
運営会社 | 株式会社ラボル |
個人事業主やフリーランスに特化した「ラボルカード払い」は、24時間365日即日対応で土日祝日も入金可能です。家賃、材料費、外注費など幅広い支払いに利用できるのはもちろん、Amazonや楽天市場など、オンラインショッピングの支払いにも使えるので、経費の管理にも一役買えます。これは個人事業主にとって嬉しいポイントです。もちろん、経費以外にも使えるので、どうしても欲しいものがあるときなどにはうまく活用したいところです。
指定した振込人名義で支払われるので、取引先にサービス利用が見えるという心配もありません。
弥生 請求書カード払い


手数料 | 通常3.5%。最低支払手数料は390円 |
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利用対象 | 法人、個人事業主 |
対応カードブランド | Visa、Mastercard |
最大支払い延長期間 | 最大60日間 |
利用額(上限・下限) | 下限1万円、上限なし(カードの利用限度額内) |
審査・必要書類 | 審査不要。業種や事業者情報、入金口座情報を登録するだけで利用可能 |
社会保険料の支払い | 可能 |
運営会社 | 弥生株式会社 |
会計ソフトでおなじみの「弥生」が提供するサービスです。キャンペーンがあり、その期間中は手数料が2.7%などかなり下がります。キャンペーン以外でも最低手数料390円と小額決済にも対応しやすいのが特徴で、社会保険料の支払いにも対応しているのは大きなメリットです。「MISOCA」など弥生の会計ソフトを使っている方なら、連携によって経理作業がさらにラクになるかもしれません。
発注書から支払いまでシームレスに管理しつつ、さらにキャッシュフロー対策までできるのであれば忙しくても安心といえるでしょう。
NoBill


手数料 | 支払金額の2.7%(非課税)、最低支払手数料1,100円 |
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利用対象 | 法人、個人事業主 |
対応カードブランド | VISA、Mastercard、JCB |
最大支払い延長期間 | 最大60日間 |
利用額(上限・下限) | 下限なし、上限はカードの利用限度額内 |
審査・必要書類 | 原則審査不要、法人は書類提出不要、個人事業主は顔写真付き身分証明書のアップロードが必要 |
社会保険料の支払い | 可能(VISA・Mastercardのみ) |
運営会社 | 株式会社インフキュリオン(NTTコミュニケーションズ株式会社が取次販売パートナー) |
業界最安水準の手数料2.7%を誇る「NoBill」。その安さの秘密は、NTTコミュニケーションズがパートナーを務める信頼性の高いサービスだからです。初期費用・月額費用は無料で、2025年2月からは社会保険料の支
払いにも対応するなど、サービスの幅を広げています。コスト意識の高い個人事業主なら、この低手数料率は見逃せないポイントといえます。
最低支払の金額次第ではありますが、大口の支払い中心の方なら、最初に考えてみても良いサービスです。
請求書カード払い byGMO


手数料 | 手数料: 50,000円未満は一律1,500円、50,000円以上は請求書金額の3% |
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利用対象 | 法人、個人事業主 |
対応カードブランド | Visa、Mastercard |
最大支払い延長期間 | 最大約60日 |
利用額(上限・下限) | 下限なし、上限はカードの利用限度額内 |
審査・必要書類 | GMO-PG所定の審査あり |
社会保険料の支払い | – |
運営会社 | 運営会社: GMOペイメントゲートウェイ株式会社 |
GMOペイメントゲートウェイが提供する「請求書カード払い byGMO」は、50,000円以上の支払いでは請求書金額の3%という料金設定です。任意の振込名義で取引先に振り込み可能なため、カード払いサービスを利用していることを隠せるのは安心です。
高額の支払いが少ない方にとっては、50,000円未満の一律1,500円という料金体系がお得に感じるかもしれません。反面、少額の支払いが多数発生する場合、あまり使用に適していない請求書カード払いサービスといえます。
JCB請求書カード払い


手数料 | 2.98%(10,000円以下の場合は一律330円:税込) |
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利用対象 | 法人、個人事業主 |
対応カードブランド | JCBクレジットカード・デビットカード・プリペイドカード(JCB直接発行のカードのみ) |
最大支払い延長期間 | 約40日間 |
利用額(上限・下限) | 上限・下限の情報なし |
審査・必要書類 | 実質審査なし、請求書のみ必要 |
社会保険料の支払い | – |
運営会社 | 株式会社ジェーシービーとデジタルガレージの共同運営 |
JCBとデジタルガレージの共同運営によるサービスで、手数料が10,000円以下なら2.98%と低コストなのが魅力です。
ただし、JCB直接発行のカードのみ利用可能という制限があり、最大延長期間も約40日と他サービスより短めなのがネックかもしれません。でも、JCBカードは言うまでもなく国内最強ブランドです。プライベートも仕事も併せて同じカードで考えたいというJCBカードヘビーユーザーの方にはぴったりのサービスといえるでしょう。
NP掛け払い 請求書カード払い


手数料 | 請求金額の3%(税込)、1万円以下の場合は一律300円(税抜) |
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利用対象 | 法人、個人事業主 |
対応カードブランド | Visa、Mastercard、JCB(JCBプリペイドカードや海外発行カードは対象外) |
最大支払い延長期間 | 最大60日間(カードの締め日と引き落とし日による) |
利用額(上限・下限) | 上限なし(カードの利用限度額内)、下限なし |
審査・必要書類 | 事前書類提出不要、請求書とクレジットカードのみで利用可能 |
社会保険料の支払い | – |
運営会社 | 株式会社ネットプロテクションズ |
NP掛け払いは、株式会社ネットプロテクションズのノウハウを活かしたサービスですが、支払い対象は日本法人請求書のみで個人事業主の請求書には対応していない点に注意が必要です。このため、今回紹介するサービスの中では、利用できる方が最も限定的なものかもしれません。
とはいえ、過去の取引履歴や進捗状況を確認できる管理機能が充実しているので、支払い管理がラクになる点は特筆すべきところです。
Paid請求書カード払い


手数料 | 手数料3%(税込)、1万円以下300円(税抜) |
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利用対象 | 法人、個人事業主 |
対応カードブランド | JCB/Visa/Mastercard |
最大支払い延長期間 | 60日 |
利用額(上限・下限) | 情報なし |
審査・必要書類 | 事前の書類提出不要 |
社会保険料の支払い | – |
運営会社 | 株式会社ラクーンホールディングス(デジタルガレージのサービス基盤を活用) |
2024年10月から開始した比較的新しいサービスで、Paid以外で発行された請求書にも対応し、複数社からの請求書をまとめて支払えます。人件費や給与支払いにも対応していますが、社会保険料の支払いはできません。
とはいえこれからの拡充も期待はされており、キャンペーン等の状況によっては使ってみたくなるサービスとなるでしょう。
請求書カード払いとは請求書をクレカ決済できるサービス


請求書カード払いとはそもそも何かわからない、という方もいらっしゃるかもしれません。あらためてその解説をしていきます。まず簡単に書いてしまうと、これは、取引先から受け取った請求書をクレジットカードで支払えるサービスです。通常は銀行振込で支払う取引先の請求書を、クレジットカード決済に切り替えることで、決済から支払いまでの時間を利用し、最大60日間の支払い猶予を得られます。これにより資金繰りに余裕が生まれることが最大のメリット。
ただしそれだけでなく、カードのポイントやマイルも貯められるため、個人事業主にとって大きなメリットがあります。
一般的に普及しているのは支払側(バイヤー)向け
請求書カード払いサービスは主に支払う側(バイヤー)向けのサービスとして普及しています。
個人事業主や中小企業が外部ベンダーへの支払いをクレジットカードで行い、現金流出のタイミングを遅らせます。売上の収入が入ってくるのが遅い場合など、資金繰りを改善する目的で使われることが一般的です。
さらに支払い側にとってはクレジットカード1つで支払いが済み、会計ソフトとの連携もできるため、業務効率化や資金管理の柔軟性向上というメリットがあります。この点だけ見てもまさに「一石二鳥」となります。
売掛金の入金を早める請求側(サプライヤー)向けも存在
一方で、売掛金の入金を早めるための請求側(サプライヤー)向けのサービスも存在します。
これは売掛金を早期に回収したい事業者向けのサービスです。一般的には「ファクタリング」と呼ばれるものに近いですが、請求書カード払いの形態を取っているものもあります。ただし、請求先が同意するかどうかは別問題であるので、実際に使う場面は少ないかもしれません。個人事業主にとっては支払い側としての利用の方が一般的です。
とはいえ、知っておいて損のある話ではないので、頭の片隅にでも留めて置き、支払いが極端に遅くなりそうな場合など、打診してみるのも手かもしれません。
本記事で紹介しているサービスでは、ゆとりペイが請求側(サプライヤー)のサービスを提供しています。
厚生年金保険料などの社会保険料が支払えるサービスも登場


最近では、厚生年金保険料や健康保険料などの社会保険料をカードで支払えるサービスも登場しています。
ゆとりペイ、SA請求書カード払い、LP 請求書カード払い、支払い.com、弥生 請求書カード払い、NoBillなどが対応しています。
社会保険料は毎月一定額の支出となるため、これをカード払いにすると支払いサイクルを調整でき、資金計画が立てやすくなります。月々の固定費をもっとスマートに管理できるのは嬉しいですし、仮に外部ベンダーに対して何も支払いが発生しない月でも、社会保険料を支払うことでマイルやポイントになるのはメリットともいえます。
保険料は支払いを失念などしてしまうと失効してしまい、急な病気の際などに大変なことになります。もし先行しての支払いが請求書カード払いでできるのであれば、この点も利用したいものです。
ファクタリングやビジネスローンとの違いは手数料が安い
請求書カード払いの大きな特徴は、ファクタリングやビジネスローンと比較して手数料が格段に安いことです。
ファクタリングとは売掛金を早期に現金化するサービスですが、こちらの手数料は5%〜15%と高額になりがちです。またビジネスローンは借入となるため金利が発生し、返済義務も生じます。当然手続きも審査も大変です。
一方、請求書カード払いは手数料が低く(NoBillは2.7%)、借入ではないため返済義務も生じません。審査も簡易的なもので、手続きもあっという間に完了します。そのうえ総量規制の対象外で信用情報にも影響しないのが大きな利点です。
「借金ではなく支払いの繰り延べ」という点がポイントです。
ただし、遅延などが起きてしまうと、カードが停止するなどのトラブルになるので、この点は注意がいります。
請求書カード払い代行サービスの選び方や比較ポイント
請求書カード払いサービスを選ぶ際には、手数料の安さだけでなく対応カードブランドや支払い延長期間、追加機能などさまざまな要素を比較検討することが重要です。個人事業主の業種や取引規模、カード所有状況などに合わせて最適なサービスを選んでみましょう。
自分が使っているクレカに対応していると即日利用が可能
請求書カード払いサービスを選ぶ際、まず確認すべきは自分が普段使用しているクレジットカード(Visa、マスターカード、JCB等)が対応しているかどうかです。
すでに保有しているカードが対象サービスに対応していれば、追加のカード発行手続きなしで即日利用が可能です。たとえば、JCBカードを主に使用している場合は、JCBに対応しているサービス(ゆとりペイ、SA請求書カード払いなど)を選ぶと良いでしょう。Visaカードを使っている場合は、ほとんどのサービスで対応していますが、念のため確認することをおすすめします。
すぐに利用を開始したい場合は、この対応カードブランドの確認が最初のステップとなり、持っているブランドを選択しましょう。そうすることで、ほとんど審査もなく、事務手続きだけですぐに利用ができるのです。
クレカブランドにこだわらなければ手数料が安いサービスを


特定のカードブランドにこだわりがない場合は、手数料率の低いサービスを選ぶことで、コスト削減につながります。
たとえば、NoBillは2.7%、ゆとりペイは2.9%、LP請求書カード払いは2.95%、JCB請求書カード払いは2.98%、と業界最安水準の手数料を提供しています。また、キャンペーンでさらに安い手数料を出している場合もあります。
手数料率の差は一見小さく見えますが、支払い金額が大きくなればなるほど、その差額も大きくなります。定期的に大きな金額の支払いがある場合は、わずかな手数料率の差でも年間では大きな違いになりますので、複数のサービスを比較検討することをおすすめします。
なお、この場合、新規にクレジットカードを申し込むことになるので、その審査期間は請求書カード払いサービスは使えないことに留意が必要です。クレジットカード自体の審査もあるため、やや話としてはハードルが上がる点も注意しましょう。
ポイント還元があるので実質の手数料もチェックする
請求書カード払いサービスを利用する際は、クレジットカードのポイント還元率も考慮した「実質手数料」を考えると良いでしょう。
たとえば、ゆとりペイでは手数料は2.9%ですが、ポイント還元率の高いカードを使用すれば、実質的な手数料負担を軽減できます。還元率1%のカードを使えば実質手数料は1.9%となり、かなりお得に利用できます。特に支払い.comやSA請求書カード払いでは、提携カードのUPSIDERカードを使用すると最大1.5%のポイント還元が受けられるため、実質手数料を2.5%程度まで抑えることも可能です。
普段使っているカードのポイント還元率と各サービスの手数料を比較して、総合的に最もお得なサービスを選ぶことが賢明です。
なお、ポイント還元に関しては、クレジットカード会社の理由で還元率が変わることもあります。場合によっては使用するカードを見直すきっかけとなることもあります。
少額利用のケースでは固定の手数料がかかるので注意
請求書カード払いサービスの多くは、少額の請求書に対して固定の手数料を設定しています。
たとえば、INVOYカード払いでは1万円未満の支払いに一律300円、NP掛け払いでも1万円以下の場合は一律300円(税抜)の手数料が発生します。そのため、頻繁に少額の支払いがある場合は、固定手数料の設定に注目することが重要です。たとえば、5,000円の支払いに300円の手数料がかかると、実質手数料率は6%となり、通常の料率よりも高くなってしまいます。
少額支払いの多い事業者は、最低手数料の設定が低いサービス(例:JCB請求書カード払いの330円など)を選ぶか、少額支払いについては銀行振込など別の決済方法を検討することも一案です。そこまで少ない金額であれば、どんどんと振込で決済した方が気分的にもラクになる部分もあります。
普段の支払額から考え、適切な請求書カード払いサービスを選びましょう。
最大60日支払いが後ろ倒せる代行サービスを選ぶ
請求書カード払いの最大のメリットである支払い期限の延長について、最大延長期間を確認することも重要です。
多くのサービスでは最大60日の延長が可能ですが、JCB請求書カード払いは約40日と短めに設定されています。資金繰りの改善を主な目的として利用する場合は、より長い延長期間を提供するサービス(ゆとりペイ、SA請求書カード払い、LP請求書カード払い、支払い.comなど)を選ぶと良いでしょう。
延長期間は、利用するカードの締め日と引き落とし日にも影響されるため、自分のカードのサイクルと合わせて最適なサービスを選ぶことがポイントです。通常、入金も支払いも月末、というパターンが多いでしょうから、40日だと結局資金繰りに頭を悩ます可能性があることには注意です。
特に季節変動の大きい業種や、大型の発注が不定期にある事業者にとっては、この支払い延長期間の長さは重要な選択基準となります。
請求書作成をはじめとした追加機能で比較検討する
請求書カード払いサービスの中には、基本機能に加えてさまざまな追加機能を提供しているものがあります。
たとえば、マネーフォワード請求書カード払いや弥生請求書カード払いは、自社製の会計ソフトとの連携機能を提供しており、それらの会計ソフトを使用してさえいれば、請求書の管理や経理処理が効率化できます。NoBillも請求書発行機能を備えています。また、INVOYの複数カード合算機能など、独自の便利機能を持つサービスもあります。
これらの追加機能は、単なる請求書支払いだけでなく、業務全体の効率化にも貢献します。自社の業務フローや既存システムとの相性を考慮して、最適なサービスを選ぶことで、より大きな業務効率化が実現できるでしょう。
請求書カード払いのメリットは審査なしで資金繰り改善
請求書カード払いサービスを利用するメリットはここまで書いてきたように、支払いまでの期間を延期できるなど数多くあります。さらに、クレジットカードを使用することで、ポイントやマイルが貯まる等、クレジットカードならではの利点もあります。個人事業主にとっては、融資を受けるよりもハードルが低く、手軽に導入できる資金繰り改善ツールといえるでしょう。
以下では、そんな請求書カード払いサービスの主なメリットについて詳しく解説します。
支払いタイミングの調整ができキャッシュフローが改善


請求書カード払いの最大のメリットは、支払いのタイミングを調整することでキャッシュフローが改善する点です。
通常、取引先からの請求書は受領後すぐ、または月末締めなどの期限内に支払わなければなりませんが、請求書カード払いを利用すると、最大60日間の支払い猶予が得られます。これにより、売上金が入金されてから支払いを行えるようになり、資金ショートのリスクを大幅に低減できます。
キャッシュフローの悪化には「黒字倒産」などの大きなリスクもあるため、この点は非常にありがたいポイントです。たとえば、月初に仕入れの支払いが集中するが、売上金の入金は月末になるという場合、この期間のキャッシュフローが厳しい状況に陥りがちです。
特に外部ベンダーの納品後、さらに作業フェーズが進んでいるものの、実態としてクライアントへの納品ができていない場合など、外部ベンダーを待たせる理由がなく、「売上はまだだが支払いが先に生じる」ケースは少なからずあります。出版関係や、Web関連のデザインなどだと、このケースは割と頻発しがちです。
請求書カード払いを利用すれば、この支払いを翌月以降に延ばすせるため、こうした際に資金繰りの余裕が生まれます。特に季節変動の大きい業種や、プロジェクト単位で売上よりだいぶ前に大きな支出が発生する事業形態の個人事業主にとっては、この支払いタイミングの調整機能は非常に価値のあるツールといえるでしょう。
クレジットカードの上限額を超えての利用はできない
ただし、請求書カード払いを利用する際は、カードの利用限度額を超えた支払いはできないため、事前に利用可能枠を確認しておくことが重要です。もちろん、個人的なショッピングやキャッシングで、元々あった枠が削られている可能性もあります。
クレジットカードを多数持っている場合、複数のカードを使い分けることで、より大きな金額にも対応可能です。
なお、クレジットカードの利用限度額を上げるためには、クレジットカード会社への利用額増枠申請が必要です。増枠申請は過去の利用内容によっては断られるケースもありますが、「ランクアップ」をすることで簡単にできます。ランクアップとは、たとえばゴールドカードやプラチナカードにすることを指します。この場合、年会費が上がってしまうので、単純に請求書カード払いの使いやすさを上げるためだけに申請するのはつらいものがあります。プライベートでも使う、空港のラウンジ利用などの特典を活用するなどのさらなる工夫をしてみましょう。
基本的に審査や書類提出の必要がなく即日利用ができる
請求書カード払いサービスであれば、ほとんどのサービスで厳格な審査や複雑な書類提出が不要です。ゆとりペイやSA請求書カード払いなど多くのサービスでは、オンラインでの簡単な登録だけで即日利用が可能です。これは融資を受ける場合と比較すると大きな違いであり、急な資金需要にも迅速に対応できるメリットがあります。
個人事業主の場合、一部のサービスでは顔写真付き身分証明書のアップロードが必要ですが(LP請求書カード払い、NoBillなど)、それでも従来の融資と比べればはるかに手続きが簡素化されています。また、事業実績や決算書の提出が不要なため、創業間もない事業者でも利用しやすい点も大きなメリットです。
審査不要のサービスが多いのは、基本的にクレジットカードの信用枠を利用するサービスであるため、カード会社による与信審査がすでに行われているからです。このため、カードの利用限度額内であれば、追加の審査なしで利用できるのです。急な支払いが発生した場合でも、素早く対応できる点は個人事業主にとって大きな安心感をもたらします。
クレジットカードを持っていれば個人事業主も利用可
請求書カード払いサービスは、個人事業主が保有するクレジットカードでも利用可能なため、法人格や法人カードがなくても気軽に始められる点が魅力です。多くのサービスでは、個人名義のクレジットカードでも利用でき、支払いは指定した振込名義で行われるため、取引先にサービスを利用していることが知られることもありません。
たとえば、ゆとりペイやSA請求書カード払いは、個人事業主やフリーランスも個人用クレジットカードで利用可能です。これにより、個人と事業の境界があいまいになりがちな小規模事業者でも、スムーズに導入できます。
また、複数のカードを使い分けることも可能なサービス(INVOYなど)もあるため、個人のライフスタイルカードと事業用カードを状況に応じて使い分けることもできます。これにより、より柔軟な資金管理が可能になります。個人事業主としての信用枠が限られていても、すでに保有している個人カードの枠を活用できるため、追加の与信審査なしで事業資金の流動性を高められる点は大きなメリットといえるでしょう。
逆に言うと、クレジットカードそのものの審査が通らないような場合は求書カード払いサービスを利用することはかなり難しいです。もちろん、通りやすいカード、通りにくいカードはいろいろとありますので、諦める必要はありません。とはいえ、上限額50万円のクレジットカードでは、支払いできる金額もかなり限定的となってしまいます。
融資ではないので総量規制対象外!信用情報も無関係
請求書カード払いサービスは融資ではなく決済手段の変更であるため、総量規制の対象外となっています。また、信用情報にも影響を与えないため、将来的に融資を受ける際の妨げになる心配もありません。これは個人事業主にとって非常に重要なポイントです。
総量規制とは、貸金業法に基づき、個人の借入総額が年収の3分の1を超えてはならないという規制です。しかし、請求書カード払いはあくまで支払い方法の変更であり、借入ではないため、この規制の対象外となります。そのため、他の借入に影響しませんし、仮に借入金がある場合でも、制限なく利用できるのが大きなメリットです。
また、信用情報機関に登録される借入履歴としても扱われないため、将来的に住宅ローンなどの審査を受ける際にも影響がありません。これにより、事業資金と個人の信用を分離して管理できるので、より柔軟な資金計画が立てられます。
ただし、利用したクレジットカードの支払いは必ず期日までに済ませる必要があります。カード支払いが遅延すると、それは信用情報に影響する可能性があるため注意が必要です。また、そもそもクレジットカードのそれ以上の使用が(一時的にですが)できなくなってしまいます。
入金確認・督促業務・経理処理が簡素化して業務効率UP
請求書カード払いサービスを利用することで、支払い業務全体の効率化が図れます。入金確認や督促業務、経理処理などが簡素化され、業務負担の軽減につながります。
従来の銀行振込による支払いでは、振込操作、入金確認、経理処理など複数のステップが必要でした。最近は銀行もオンライン化が進んでいますが、場合によっては銀行窓口に赴かなくてはならないなどの物理的な面倒もあります。しかし、請求書カード払いを利用すれば、オンラインにて一度の操作で支払いが完了し、取引先への振込も自動的に行われるため、手間が大幅に削減されます。自宅から一歩も出る必要はありません。
また、NP掛け払いなどが提供する管理機能を使えば、過去の取引履歴や進捗状況を一元管理できるため、月末の経理処理もスムーズに行えます。この辺の効率化は、個人で何もやる個人事業主にはぜひ活用したいポイントです。
個人事業主は経理担当者を雇用していないケースがほとんどでしょうから、自らすべての業務を行う必要があります。請求書カード払いの導入によって支払い業務の負担が軽減されれば、その分を本業に集中できるようになり、生産性の向上にもつながります。
マネーフォワードや弥生の請求書カード払いのように会計ソフトと連携している場合は、さらに業務効率化が進み、決済ステータスのリアルタイム把握や自動仕訳などの恩恵も受けられます。青色申告への切り替えなどもこうしておくとかなりスムーズになります。
請求書払いの利用でもクレカのポイントやマイルが貯まる
請求書カード払いサービスの嬉しいメリットの1つは、通常のクレジットカード利用と同様にポイントやマイルが貯まる点です。事業経費の支払いにカードを利用することで、個人消費だけでは貯まりにくい大量のポイントを効率的に獲得できます。
たとえば、ゆとりペイやSA請求書カード払いなど、多くのサービスではカード会社が提供する通常のポイントプログラムが適用されます。還元率1%のカードを使用した場合、100万円の支払いで1万円相当のポイントが貯まる計算になります。これを手数料(例:3%で3万円)と比較すると、実質的な負担は2万円程度となり、かなりお得に利用できることがわかります。
特に航空会社のマイレージカードを利用すれば、貯まったマイルで旅行を楽しむこともでき、ビジネスとプライベートの両面でメリットを享受できます。また、支払い.comのUPSIDERカードのように、最大1.5%の還元率を誇るカードを使えば、さらに実質手数料を抑えることも可能です。
ポイント還元を最大化するためには、還元率の高いカードを選ぶことが重要です。また、カード会社が実施する特別キャンペーンなども活用すれば、さらにお得に利用できるでしょう。さらに、楽天カードなどは得たポイントをさらにポイント活用により増加させることも可能ですから、この機会に真剣にポイ活に向き合ってみるのも良いかもしれません。
請求書カード払いに関するよくある質問に回答
請求書カード払いサービスを検討する際に生じる疑問について、よくある質問とその回答をまとめました。個人事業主が抱きやすい疑問に焦点を当てていますので、サービス選びの参考にしてください。
取引先に知られずに請求書カード払いを利用できますか?
はい。
ほとんどの請求書カード払いサービスでは、取引先に知られることなく利用することが可能です。ゆとりペイ、SA請求書カード払いなど多くのサービスでは、支払い名義を指定できるため、通常の振込と同じように取引先の口座に入金されます。取引先には指定した名義での入金として表示されるため、カード払いを利用していることは知られません。
これは個人事業主にとって重要なポイントです。取引先によっては、カード払いを利用していることで「資金繰りが厳しいのでは」という印象を与えてしまう可能性があります。指定名義での振込が行われるため、そのような心配なく利用できる点は安心材料といえるでしょう。
社会保険料を支払える請求書カード払いはどれですか?
社会保険料の支払いに対応している請求書カード払いサービスは限られています。現在対応しているのは、ゆとりペイ(法人のみ、Visa、Mastercard、JCB)、SA請求書カード払い(法人のみ、Visa、Mastercardなど)、LP請求書カード払い(法人のみ、VISA/Mastercardのみ)、弥生請求書カード払い、NoBill(VISA/Mastercardのみ)などです。一方、Paid請求書カード払いなどでは対応していません。
社会保険料は事業者にとって固定的な支出であり、これをカード払いにすることで支払いサイクルを調整でき、資金計画が立てやすくなります。また、手続きの手間も省けるため、業務効率化にもつながります。LP請求書カード払いは法人限定のため、個人事業主は弥生請求書カード払いやNoBillを検討すると良いでしょう。
なお、社会保険料の支払いは請求書カード払いをする上での重要なポイントと周知されるようになってきており、今後これができるようになる請求書カード払いは増えてくる可能性があります。
請求書カード払いはアメックスやvisaに対応している?
請求書カード払いサービスの多くはVisa、Mastercard、JCBに対応していますが、アメリカン・エキスプレス(アメックス)に対応しているサービスは限定的です。現在、アメックスに対応しているのは支払い.comやSA請求書カード払いなどごく一部のサービスのみで、セゾンカード・三菱UFJニコスが発行するセゾン・アメリカン・エキスプレスカードに限定されています。
一方、Visaはほぼすべてのサービスで対応しており、最も汎用性の高いカードブランドといえます。ゆとりペイ、SA請求書カード払い、LP請求書カード払いなど主要サービスはすべてVisaに対応しています。Mastercardも同様に広くサポートされています。JCBは日本発のカードブランドであり、多くのサービスでサポートされていますが、一部のサービス(弥生請求書カード払いなど)では対応していない場合もあります。