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ファクタリングと融資の違い!両者のメリットとデメリットを比較

ファクタリングと融資の違い!両者のメリットとデメリットを比較

ファクタリングと融資の違いをご存知でしょうか?この2つの選択肢がある場合、どちらの選択肢が最適なのか判断するのは難しいかもしれません。

本記事では、ファクタリングと融資の類似点と相違点について概説します。本記事の情報をもとに、あなたのビジネスニーズに最適なファイナンスを決定することができますので、ぜひお役立てください。

この記事の内容

ファクタリングと融資の違いを徹底比較

「ファクタリング」と「融資」は、混同されがちな資金調達方法です。しかし、両者のメリットとデメリットには大きな違いがあります。そのため、自社の状況に合っている方法を利用するのが重要です。

ファクタリングと融資のおもな違いは、次のようになっています。

比較項目ファクタリング融資
負債額変化なし負債増加
審査対象売掛先企業自社
不払い時の責任者ファクタリング会社保証人(担保)
利用可能額売掛金額以内限度なし(信用による)
資金調達スピード早い遅い
返済方法一括返済のみ分割払い可能

では、ファクタリングと融資の違いについて、詳しく見ていきましょう。

ファクタリングは融資と違い負債が増えず信用状況に影響しない

融資は「金銭貸借契約」のため、バランスシートの「負債(借金)」の項目が増加します。しかしファクタリングは、売掛債権の「売買契約」のため、負債額は増えません。

現代の企業は、多かれ少なかれ負債を抱えているのが普通です。そのため、負債が増えることが必ずしも大きなデメリットになるとは言えません。しかし負債が増えることによる問題もあります。

「自己資本比率」「総資産利益率」「現金比率」などの財務指標の悪化が、負債額増加によるデメリットです。財務指標が悪くなると、銀行の融資や公的機関からの助成金なども利用しにくくなってしまいます。

さらに信用が下がるとほかの企業からの評価も低下するため、企業活動への悪影響も否定できません。そのため、すでに負債額が多い場合は、融資よりもファクタリングの方が利用価値が高くなります。

ファクタリングは売掛先の信用が重要で融資は自社の信用が重要

ファクタリングでも融資でも、契約時に「審査」をされますが「審査対象」が異なります。融資を受ける場合は、「自社の信用」が重要です。信用が高ければ、審査期間が短くなり、利用可能額は高くなり、利息額が減少します。

しかし逆に、「赤字経営」「債務超過」「税金滞納」「ブラックリストに載っている」などしていると、融資を利用できません。

ファクタリングの場合は、売掛債権自体、つまり「売掛先企業の信用」が重要です。売掛先企業の信用が高ければ、審査がすぐ終わり、手数料が安くなります。売掛先が倒産危機にあったりすると、どれだけ自社の経営が順調でもファクタリングを利用できません。

しかしファクタリングでは、自社の信用の重要度が低くなるため、先に挙げた「赤字経営」「債務超過」「税金滞納」「ブラックリスト」といった状況でも利用可能です。

そのため、大手企業や官公庁などの信用の高い相手と取引している場合は、ファクタリングの利用価値が高まります。また、ファクタリングを利用する際は、信用の高い企業の売掛債権を優先したほうが、条件が良くなるためおすすめです。

ファクタリング利用時に売掛先が潰れてもノーリスク

ファクタリングと融資では、不払いが出た時の対応も違います。融資の場合、支払いが滞るのは利用者本人の責任です。どうしてもお金が返せないとなれば、「保証人」が代わりに支払いをするか、「担保」を譲渡して支払いの代わりにしなければいけません。どうなろうと、融資する金融機関が損はしないシステムです。

ファクタリングの場合、売掛先が不払いを出したら、その損金はファクタリング会社が請け負うことになります。つまり、売掛先が潰れても、利用者はノーリスクなわけです。

2社間ファクタリングの場合は、売掛金を受け取った後に、ファクタリング会社に支払をします。しかし、取引先から売掛金の支払いがなかった場合は、ファクタリング会社への支払義務はありません。

3社間ファクタリングの場合は、そもそも売掛金の取り立て自体がファクタリング会社の業務です。そのため、こちらの場合も売掛先の不払いによる影響は受けません。

つまり、融資と違ってファクタリングは、取引先の不払いリスクをなくすための安全装置としても利用できるのです。

ファクタリングで利用可能な金額は売掛債権額によるが融資なら上限なし

ファクタリングは、まずファクタリングサービスごとに利用可能な金額が制限されています。上限は数千万円程度が普通で、それ以上の売掛債権を持っていても利用できません。また、個人向けのファクタリングサービスなどでは、上限金額が数百万円程度の場合もあります。

さらにファクタリングで利用できる最高金額は、売掛債権の金額までです。たとえば1,000万円が必要な場合でも、持っている売掛債権が200万円だけだったら、ファクタリングでは200万円未満の現金しか用意できません。

対して融資なら、信用次第でもっと大きな金額を受け取れます。また、ファクタリングの場合は、そもそも売掛債権を持っていなければ利用不可能ですが、融資ならそういった制限もありません。ただし、融資額に見合う信用を持つ保証人か担保かは必要になります。

売掛債権を多く持っているならファクタリングが、担保にできる不動産などを多く持っているなら融資が使いやすいでしょう。

ファクタリングは資金調達スピードが早く緊急時に利用可能

資金調達のスピードでは、ファクタリングが融資を上回っています。

ファクタリングなら、最短数時間、もしくは最短即日ファクタリングが可能です。さすがに数時間で売掛債権を現金化できるサービスは多くありませんが、当日入金可能なファクタリングサービスは数多く存在します。

対して融資の場合、申込みから入金までにかなりの期間が必要です。すでに長い取引をしている銀行でも「数週間」程度、新規取引で融資を申し込むと1~2カ月程度はかかってしまいます。

そのため、急にお金が必要になった場合は、融資では間に合いません。対してファクタリングは、緊急時の有力な資金調達方法の1つです。

ファクタリングは一括返済のみだが融資は分割返済なども可能

ファクタリングと融資では、返済方法も違います。ファクタリングの場合、お金を借りているわけではないので、厳密には「返済」という言葉は合っていません。しかしここでは、ファクタリングと融資を比較するため、両者に返済という言葉を使用します。

ファクタリングの場合、取引先から売掛金が振り込まれた後、ファクタリング会社に一括返済しなければいけません。期日に遅れることは許されませんし、分割払いも不可能です。さらに、お金に余裕がある場合でも、支払期日より前に返済することもできません。

ファクタリングで返済期日をずらせるのは、取引先から売掛金が振り込まれなかった場合だけです。売掛金が入金されなかった場合は、ファクタリング会社に支払いがおこなわれていないことを連絡します。

なお、3社間ファクタリングの場合は、返済という行動自体が不要です。ファクタリング会社が勝手に売掛金を回収するので、気にする必要はありません。

決められた期日に返済するのは融資も同じですが、融資の場合は「分割払い」が可能です。さらに支払う利息が増えてもかまわないなら、長期間かけて少しずつ返済していくこともできます。

逆に、お金に余裕がある時に、先払いで返済して利息負担を抑えるというのも可能です。返済については、融資の方が柔軟性が高いと言えます。なるべく長期間お金を借りていたいなら、融資の方が合っているでしょう。

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運営者

税理士業界20年、野村税理士事務所代表でfreee認定アドバイザー。日本税理士会連合会、九州北部税理士会所属。認定経営革新等支援機関の認定事業者として補助金の申請支援を行う。

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