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【初心者向け】現金出納帳の書き方!主な勘定科目や注意点を解説

【初心者向け】現金出納帳の書き方!主な勘定科目や注意点を解説

「現金出納帳の書き方がわからない…」
「どの勘定科目を使えばいいの?」
「記入時の注意点を知りたい!」

このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

現金出納帳は、日々の現金の入出金を記録し、現金の流れを正確に把握するための基本的な帳簿です。適切な勘定科目を用いて正確に記入することで、経理業務の効率化や財務状況の把握が容易になります。

この記事では、初心者の方でも理解しやすいよう、現金出納帳の基本的な書き方を解説します。主な勘定科目の紹介や、記入時の注意点についても詳しく説明しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

現金出納帳とは?

現金出納帳(げんきんすいとうちょう)は日々の現金の収入と支出を記録する帳簿です。法人や個人事業主が現金で行った取引を記録し、現金の流れを明確にするなどの目的があります。

現金の動きを正確に把握すると、会計処理の基礎となり、経営状況の分析や改善に役立てることが可能です。たとえば、売上による収入、仕入れや経費の支払い、従業員への給与支払いなどが記録されます。

現金出納帳は、これらの記録を通じて現金の残高を常に把握し、会計の透明性を保つことが可能になります。

現金出納帳の書き方

書き方①最初の行は摘要欄に該当項目を記入する

ページの最初の行には、摘要欄に「期首繰越」や「前月繰越」といった該当項目を記入し、その時点での現金残高も記入します。

前ページからページを移動した場合は、「前項より繰越」と記入するのが一般的です。

書き方②月や期が変わるときは必ず次のページに移動する

月や会計期間が変わる際には、必ず新しいページに移動して現金出納帳を記入します。

期間ごとの現金の流れを明確にするために必要な書き方で、月や会計期間ごとにページを分けることで、期間ごとの現金の流れを把握しやすくなり会計処理の効率化させることが可能です。

新しいページにはその月の最初の日付、または新しい会計期間が始まる日付を記入し、前ページの残高を繰越金額として記載します。

また、繰越金額は前ページ(前月または前期末)の残高と一致していなければなりません。

もし一致しない場合は、過去の記録に誤りがある可能性があるため注意深く確認する必要があります。

書き方③期末時は二重線を引いて締める

会計期間の期末には、現金出納帳を締め切る処理を行う必要で、最終行の残高を確定させた後、その下に二重線を引いて締めくくるのが一般的です。

この二重線は、その期間の記録が完了したことを示す重要な意味を持っており、それ以降の追記を防いで記録の改ざんを防止する役割も果たします。

また、二重線の上には締め切り日を記入することが一般的です。

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現金出納帳が必要な理由3つ

理由①お金の流れを把握できる

お金の流れを正確に把握できるのが、現金出納帳をつけるべき理由のひとつです。

日々の現金の収入と支出を記録することで、どこからお金が入ってきて、どこにお金が使われているのかが明確になります。

たとえば、売上が順調に伸びているかどうか、経費が適切に管理されているかどうかなどを確認でき、資金繰りの計画を立てるのに役立てることができます。

経営者は会社の財務状況を把握し、適切な経営判断を行うためにも現金出納帳の作成が必要です。

理由②従業員の不正防止に役立つ

現金出納帳は、従業員の不正を防止する上でも重要な役割を果たします。

現金の動きを記録し、管理することで、架空の経費計上や売上金の着服など、社内での不正な支出を早期に発見することができます。

また、現金出納帳は内部統制の強化にも役立ち、適切な管理体制を整え、定期的に監査を実施することで不正のリスク低減が可能です。

理由③税務申告で現金出納帳の作成や保存が求められる

税務申告において、現金出納帳の作成と保存が求められます。

青色申告者は、正規の簿記の原則に基づく帳簿作成が求められ、現金出納帳はその一部として重要な役割を果たします。

また、現金出納帳を日々記録・保管することで、経費の漏れや記載ミスを防ぎ、正確な所得計算を行うことが可能です。

さらに、税務調査の際に信頼性の高い証拠として機能し、税務上のトラブルを未然に防ぐことにもつながります。

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現金出納帳で使用する主な勘定項目

収入金額で使われる勘定科目

現金出納帳の収入金額の欄でよく使用される勘定科目には主に以下があります。

  • 売上高
    商品やサービスの販売によって得られた収入。事業収入の主な源泉となる
  • 受取利息
    預金や貸付金から得られた利息収入
  • 雑収入
    上記以外の、一時的な収入や少額の収入
  • 前受金
    商品やサービスを提供する前に、顧客から受け取った代金

これらの勘定科目は、現金の収入があった場合に、その内容に応じて適切に選択・記録する必要があります。

支出金額で使われる勘定科目

現金出納帳の支出金額の欄でよく使用される勘定科目には、主に以下があります。

  • 仕入
    商品を販売するために仕入れた商品の代金
  • 給与
    従業員に支払った給与や賃金。源泉所得税や社会保険料などもあわせて記録する
  • 消耗品費
    事務用机や梱包資材など、少額で使用期間が短い消耗品の購入費用
  • 事務用品費
    帳簿やペン、封筒、コピー用紙など、事務用品の購入費用
  • 車両日
    事業に利用している車にかかる費用全般。駐車場代金や車検費用も含む
  • 交通費
    業務のために利用した交通機関の費用。出張旅費や通勤手当なども含む
  • 通信費
    電話代、インターネット代、切手代など通信にかかる費用

支出金額で使われる勘定科目について、もっと詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。

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個人事業主が使用する勘定科目は事業主貸と事業主借

個人事業主の場合、現金出納帳に記録する場合は事業用とプライベート用のお金を区別しなければなりません。

現金出納帳では「事業主貸」と「事業主借」という勘定科目を使用するのが一般的です。

  • 事業主貸
    事業用の資金をプライベートで使用した場合に記録。事業用の預金から生活費を引き出した場合など
  • 事業主借
    プライベートの資金を事業で使用した場合に記録。個人の預金から事業用の経費を支払った場合など

事業用とプライベート用のお金の流れを明確に区別することで、確定申告の際に事業所得を正確に計算することができます。

また、税務調査の際にも、事業用とプライベート用のお金の流れを明確に説明することができます。

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小口現金出納帳と現金出納帳の違い

小口現金出納帳と現金出納帳は、どちらも現金の管理に使用する帳簿ですが、管理する現金の範囲が異なります。

現金出納帳は、会社のすべての現金の動きを記録する帳簿です。一方、小口現金出納帳は、日常的な少額の現金の支払いを管理するために使用する帳簿です。

たとえば、交通費、消耗品費、切手代など、少額の現金を従業員が立て替えて支払う場合に、小口現金出納帳に記録します。小口現金出納帳は現金出納帳の一部として扱われ、定期的に現金出納帳に合算されます。

小口現金出納帳を使用することで、少額の現金の支払いを効率的に管理できると同時に、現金出納帳の記録を簡素化し会計処理の負担を軽減することが可能です。

現金出納帳の書き方における注意点5つ

注意点①毎日記帳する

現金出納帳は、毎日記帳することが重要です。

日々の現金の動きをその日のうちに記録することで、記憶が鮮明なうちに正確な記録を残すことができます。時間が経つと、現金の動きを忘れてしまったり、金額を誤ってしまったりする可能性があるためです。

また、毎日記帳することで、現金の残高を常に把握することができ、現金の過不足の早期発見・早期対応につながります。

もし、毎日記帳することが難しい場合は、少なくとも週に一度は記帳するように心がけましょう。

注意点②記入ミスは消して訂正してはいけない

現金出納帳に記入ミスがあった場合、修正液や修正テープを使用して訂正してはいけません。

記入ミスがあった場合は、間違った箇所に二重線を引き、訂正印を押印し、その上に正しい内容を記入します。

また、訂正印は誰が訂正したのかを明確にし、訂正箇所には訂正理由を簡潔に記入することも推奨されます。たとえば、「金額誤り」や「勘定科目誤り」などと記入することで、訂正の理由を明確にすることが大切です。

注意点③現金過不足の発生時は再発防止に努める

現金出納帳と実際の現金の残高が一致しない場合、現金過不足が発生したことになります。

現金過不足が発生した場合は、原因を究明し、再発防止に努めることが重要で、まずは現金出納帳の記録と実際の現金の動きを照合し、どこでミスが発生したのかを特定します。

原因が特定できない場合は、一時的に「現金過不足」という勘定科目を使用して処理し、原因が判明した時点で、適切な勘定科目に振り替えることが重要です。

また、現金過不足の原因は記入ミス、計算ミス、現金の紛失など、さまざまな可能性があります。再発防止のために、現金の管理体制を見直し、従業員への教育を徹底することも忘れてはいけません。

たとえば、現金の取り扱いに関するルールを明確化したり、ダブルチェック体制を導入したりするなどの対策を講じましょう。

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注意点④事業用とプライベート用でお金を分ける

個人事業主の場合、事業用とプライベート用のお金を明確に分けることが重要です。

個人事業主は事業用とプライベート用の資金口座を分ける義務はありません。

しかし、事業用の資金をプライベートで使用したり、プライベートの資金を事業で使用したりすると、会計処理が複雑になり、確定申告の際に誤りが生じる可能性があります。

そのため、事業用の銀行口座を開設し、事業に関する収入と支出はすべてその口座を通じて行うなど、事業用とプライベート用のお金を分けることが大切です。

もし、プライベートの資金を事業で使用した場合は、「事業主借」という勘定科目を使用し、事業用の資金をプライベートで使用した場合は「事業主貸」という勘定科目を使用して記録する必要があります。

注意点⑤青色申告では現金出納帳も記帳したほうがいい

青色申告を行う場合、現金出納帳の記帳は必須ではありませんが、記帳することをおすすめします。

青色申告では、複式簿記による記帳が義務付けられていますが、現金出納帳は複式簿記の基礎となる重要な帳簿です。

現金出納帳がない場合、現金の動きを説明することが難しくなり、税務署から疑念を持たれる可能性があります。

現金出納帳の管理のコツは?会計ソフトを活用する

現金出納帳の管理を効率化するためには、会計ソフトの活用がおすすめです。

会計ソフトは、手書きの帳簿に比べて入力作業が大幅に軽減されるほか、自動集計機能や仕訳機能など便利な機能が搭載されており、会計処理を効率化させることが可能です。

会計ソフトは、クラウド型のものとインストール型のものがあり、特にクラウド型の会計ソフトは、インターネット環境があればどこからでもアクセスできることが特徴です。

自動バックアップ機能が搭載されているため、データ消失のリスクを低減することができます。

会計ソフトを導入することで、現金出納帳の管理が格段に楽になり、会計処理の時間を大幅に削減することができます。

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まとめ

現金出納帳とは、日々の現金の入出金を記録し、現金残高を管理するための帳簿です。

記入の際には、現金の入出金があったその日に記帳する、領収書や伝票と実際の現金残高が一致しているか確認する などの注意が必要です。

また、記入漏れや計算ミスがないよう、定期的にチェックを行いましょう。

現金出納帳の記入に不安がある方は、会計ソフトを活用するのがおすすめです。

執筆者
野村 真一

野村税理士事務所代表 野村真一

税理士業界20年、野村税理士事務所代表でfreee認定アドバイザー日本税理士会連合会九州北部税理士会所属。認定経営革新等支援機関の認定事業者として事業再構築補助金の申請支援を行う。

>> 執筆者プロフィール

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