「賃上げ促進税制がなくなるって本当?」
「30万円未満のパソコンを一括で経費にできる特例が、40万円未満まで広がるって本当?」
2026年(令和8年)3月に令和8年度税制改正の改正法が成立し、法人向けの制度も大きく入れ替わりました。顧問先の経営者の方からも、こうしたご質問をいただくことが増えています。
結論からお伝えすると、賃上げ促進税制は大企業向けが廃止されますが、中小企業向け(控除率15%・30%)は現行のまま維持されます。一方、少額減価償却資産の特例は「30万円未満」から「40万円未満」に引き上げられ、大型投資向けには「特定生産性向上設備等投資促進税制」が新たに創設されました。
この記事では、財務省の「令和8年度税制改正の大綱」をもとに、法人向けの主な改正を、中小企業の経営者が実務で押さえるべき点を中心に整理します。
この記事でわかること
- 法人向けの主な改正の全体像(何が新しく、何がなくなり、何が変わらないか)
- 新設の「特定生産性向上設備等投資促進税制」の要件と、即時償却・税額控除の選び方
- 研究開発税制の「戦略技術領域型」の対象領域と控除率
- 賃上げ促進税制の大企業・中堅企業・中小企業の違い(比較表)
- 少額減価償却資産の特例40万円と、中小企業経営強化税制の40万円要件
- 防衛特別法人税を含め、経営者がいまやっておくこと
▶ あわせて読みたい:【総まとめ】2026年度税制改正のポイント(個人・法人・消費税・その他)
2026年度の法人向け改正の全体像
| 制度 | 主な改正内容 | 中小企業への影響 |
|---|---|---|
| 特定生産性向上設備等投資促進税制 | 新設。即時償却または税額控除7%(建物等4%) | 投資額5億円以上なら対象になり得る |
| 研究開発税制 | 戦略技術領域型を新設(控除率40%・50%) | 中小企業技術基盤強化税制の上乗せ特例は3年延長 |
| 賃上げ促進税制 | 大企業向けは廃止、中堅企業向けも令和9年3月末で廃止 | 中小企業向けは現行維持(15%・30%) |
| 少額減価償却資産の特例 | 30万円未満→40万円未満、適用期限3年延長 | 常時使用従業員400人超の法人は対象外に |
| 中小企業経営強化税制 | 工具・器具備品の取得価額要件 30万円→40万円以上 | 少額特例との境目が40万円にそろう |
| 中小法人の軽減税率15% | 今回は改正なし | 令和9年3月31日までに開始する事業年度が期限 |
| 防衛特別法人税 | 令和7年度改正で創設済み | 令和8年4月1日以後開始事業年度から課税 |
※表は概要です。適用時期や細かな要件は制度ごとに異なるため、本文と今後公表される政省令等で確認が必要です。
上の表が、法人向けの主な改正の一覧です。今回の改正は「大企業向けの賃上げ支援を縮小し、その分を大胆な設備投資や重点分野の研究開発の後押しに振り向ける」という方向性が読み取れます。中小企業向けの支援は、おおむね維持または拡充されています。
- 賃上げ促進税制の中小企業向け(15%・30%)は残る。ただし教育訓練費の上乗せは廃止
- 少額減価償却資産の特例は40万円未満に。40万円以上は経営強化税制などの出番
- 防衛特別法人税は基準法人税額が年500万円以下なら負担なし

新設の「特定生産性向上設備等投資促進税制」とは

今回の法人向け改正の目玉が、新たに創設された「特定生産性向上設備等投資促進税制」です。生産性を大きく高める大規模な設備投資を対象に、取得した設備を一気に経費にできる「即時償却」か、取得価額の一定割合を法人税額から差し引ける「税額控除」のどちらかを選べる制度です。業種の限定はなく、全業種が対象になります。
主な要件
対象になるのは青色申告法人です。投資計画について経済産業大臣の確認を受け、その確認日から5年以内に取得した設備が対象になります。主な要件は次のとおりです。
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| 対象法人 | 青色申告法人(全業種) |
| 経済産業大臣の確認 | 令和11年3月31日までに確認を受けること |
| 取得の期限 | 確認日から5年以内に取得すること |
| 投資額 | 35億円以上(中小企業者等は5億円以上) |
| 投資の収益性 | 年平均の投資利益率が15%以上 |
| 対象資産の下限(1つあたり) | 機械装置160万円以上/工具・器具備品120万円以上/建物1,000万円以上/ソフトウエア70万円以上 |
| 税制の内容 | 即時償却 または 税額控除7%(建物・附属設備・構築物は4%) |
| 控除の上限 | 法人税額の20%(控除しきれない分は3年間繰越し) |
※「中小企業者等」の範囲や投資利益率の計算方法など、細かな定義は今後公表される政省令等で確認が必要です。

グラフのとおり、中小企業者等の投資額要件は大企業の7分の1に抑えられています。とはいえ5億円以上という規模は、多くの中小企業にとって「工場の新設」「生産ラインの全面更新」クラスの投資です。数百万円〜数千万円の設備投資であれば、後で説明する中小企業経営強化税制などのほうが使いやすいケースが多いでしょう。
特定生産性向上設備等投資促進税制を使う流れ(概要)
即時償却と税額控除、どちらを選ぶ?
この制度では、即時償却と税額控除のどちらか一方を選びます。両者は効果の性質がまったく違うため、違いを整理しておきましょう。
- 取得価額の全額を、取得した期の損金(税務上の経費)にできる
- その期の税負担は大きく減るが、翌期以降の減価償却費はなくなる
- トータルの税額が減るのではなく「納税のタイミングを先送り」する効果
- 資金繰りを早く楽にしたい場合に向く
- 取得価額の7%(建物・附属設備・構築物は4%)を法人税額から直接差し引ける
- 減価償却は通常どおり行うため、税額そのものが減る
- 控除できるのは法人税額の20%まで、超えた分は3年間繰越し
- 毎期安定して利益が出ている会社に向く
モデルケースで見る税額控除
たとえば、中小企業者等が要件を満たす機械装置に5億円を投資し、税額控除を選んだとします(その期の法人税額は5,000万円と仮定)。
| 項目 | 金額 | 計算 |
|---|---|---|
| 税額控除の額 | 3,500万円 | 5億円 × 7% |
| その期の控除上限 | 1,000万円 | 法人税額5,000万円 × 20% |
| その期に控除できる額 | 1,000万円 | 上限の範囲内 |
| 翌期以降に繰り越す額 | 2,500万円 | 3,500万円 − 1,000万円(3年間繰越し可) |
このように、控除額が大きくても、その期の法人税額の20%までしか使えない点に注意が必要です。繰越しの期間は3年間なので、翌期以降の利益見込みとあわせて「即時償却と税額控除のどちらが得か」をシミュレーションしてから選ぶのが安全です。
ほかの制度とは重複して使えない
この制度を使う計画期間中は、中小企業経営強化税制・地域未来投資促進税制・カーボンニュートラル投資促進税制と重複して適用することはできません。たとえば同じ期間に中小企業経営強化税制で小さな設備を即時償却したいといった場合、どちらを優先するかを投資計画の段階で決めておく必要があります。
研究開発税制に「戦略技術領域型」が新設

研究開発税制は、試験研究費(研究開発にかかった費用)の一定割合を法人税額から控除できる制度です。今回、国が重点的に伸ばしたい分野の研究開発を手厚く支援する「戦略技術領域型(重点産業技術試験研究費)」が新たに設けられました。
対象となる6つの領域
- AI・先端ロボット
- 量子
- 半導体・通信
- バイオ・ヘルスケア
- フュージョンエネルギー
- 宇宙
控除率は40%(認定研究機関との共同研究・委託研究は50%)と、非常に高い水準です。控除上限は法人税額の10%で、一般型などとは別枠で設けられています。控除しきれなかった分は3年間繰り越せます。

※設備投資の控除率は取得価額に対する率、研究開発の控除率は対象となる試験研究費に対する率で、計算の土台が異なります。
一般型・国外委託・中小企業向けの見直し
| 項目 | 改正内容 |
|---|---|
| 一般型 | 令和9年4月以後に開始する事業年度から、控除率の算定カーブを見直し |
| 国外への委託研究費 | 原則として50%のみ対象に(経過措置:令和8年度70%、令和9年度60%。臨床試験は全額対象) |
| 中小企業技術基盤強化税制 | 上乗せ特例を3年延長。控除限度超過額の3年繰越しを新設 |
中小企業が使うことの多い「中小企業技術基盤強化税制」は、上乗せ特例が3年延長されたうえ、控除しきれなかった額を3年間繰り越せる仕組みが新設されました。赤字の年や利益の少ない年に研究開発費が膨らんでも、控除の効果を翌年以降に活かしやすくなります。製品開発やソフトウエア開発に取り組んでいる会社は、試験研究費に当たる費用を日頃から区分して集計しておくことが大切です。
- 会計ソフトで研究開発用の部門やタグを作り、人件費・材料費・外注費を日々区分する
- 国外への委託研究費は対象になる割合が段階的に下がるため、委託先の国内外も記録しておく
- 控除しきれない額の繰越しを見据え、年度ごとの集計表を残しておく
賃上げ促進税制:大企業は廃止、中小企業は維持

賃上げ促進税制は、従業員への給与等の支給額を前年より増やした場合に、その増加額の一定割合を法人税額から控除できる制度です。今回の改正で、企業規模ごとに扱いが大きく分かれました。
| 区分 | 改正内容 | 控除率など |
|---|---|---|
| 大企業向け(全法人向け) | 令和8年3月31日で廃止 | ― |
| 中堅企業向け | 令和9年3月31日の期限到来で廃止 | それまでの間は、給与増加率4%以上で10%、5%以上で5%上乗せ、6%以上で15%上乗せに見直し |
| 中小企業向け | 現行のまま維持 | 給与総額+1.5%以上で15%、+2.5%以上で30%。繰越控除5年 |
| 教育訓練費の上乗せ | 廃止 | ― |
※中堅企業向けの控除率の組み合わせ方や、廃止前後の経過措置の詳細は、今後公表される政省令等で確認が必要です。
中小企業にとってのポイントは、控除率15%・30%の枠組みがそのまま残ること、そして教育訓練費を増やした場合の上乗せがなくなることです。これまで研修費を増やして上乗せを狙っていた会社は、改正後の年度で控除額の見込みが変わる可能性があります。
モデルケース:給与総額5,000万円の中小企業
前年度の給与総額が5,000万円の中小企業が、当年度に給与総額を2.5%増やして5,125万円にした場合を考えます。
| 項目 | 金額 | 計算 |
|---|---|---|
| 給与総額の増加額 | 125万円 | 5,125万円 − 5,000万円 |
| 増加率 | 2.5% | 125万円 ÷ 5,000万円 |
| 適用される控除率 | 30% | +2.5%以上の区分 |
| 税額控除の額(目安) | 37.5万円 | 125万円 × 30% |
同じ会社が増加率1.5%(増加額75万円)にとどまった場合は、控除率15%で控除額は11.25万円です。増加率が2.5%に届くかどうかで、控除額は3倍以上の差になります。

なお、控除額には法人税額に対する上限があり、「給与等」の範囲や比較の対象となる前年度の支給額の計算にも細かなルールがあります。実際の控除額は申告書の計算で確定するため、上の数字はあくまで目安としてご覧ください。控除しきれなかった分は5年間繰り越せるので、赤字の年に賃上げをした場合も、翌年以降の黒字の年に控除を使える可能性があります。

少額減価償却資産の特例が40万円未満に
| 1つあたりの取得価額 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 30万円未満 | 少額減価償却資産の特例で全額損金にできる | 同じく特例の対象 |
| 30万円以上40万円未満 | 特例の対象外(工具・器具備品は経営強化税制の対象になり得た) | 特例の対象(全額損金)。経営強化税制の工具・器具備品は対象外に |
| 40万円以上 | 通常の減価償却、または経営強化税制など | 同左(工具・器具備品は40万円以上が経営強化税制の要件) |
※中小企業者等の場合の整理です。常時使用する従業員が400人を超える法人は、改正後は少額減価償却資産の特例の対象外です。年間の合計額の上限や適用開始時期は今後公表される政省令等で確認が必要です
中小企業者等が取得した少額の減価償却資産を、取得した期に全額損金にできる「少額減価償却資産の特例」。パソコンや複合機、店舗の什器などを買ったときに、多くの中小企業が使っている身近な制度です。
- 取得価額30万円未満の資産が対象
- 常時使用する従業員の数による制限あり
- 取得価額40万円未満の資産が対象に
- 常時使用する従業員が400人を超える法人は対象外
- 適用期限を3年延長
たとえば、1台38万円の業務用パソコンや、35万円の測定機器を購入した場合、これまでは特例の対象外で、耐用年数に応じて数年かけて減価償却する必要がありました。引上げ後の基準が適用されれば、その期に全額を損金にできます。
- 特例の年間の合計額の上限(現行の年300万円の枠)が改正後どう扱われるかは、現時点で確認できていません。今後公表される政省令等で確認が必要です
- 延長後の適用期限の具体的な日付や、引上げ後の基準がいつ取得した資産から使えるかも、政省令等での確認が必要です
- 全額損金にした資産も、償却資産税(固定資産税)の申告対象になる点は変わりません
- 常時使用する従業員が400人を超える法人は、改正後は対象外になります
中小企業経営強化税制の「40万円」要件と境目がそろう
中小企業経営強化税制(一定の計画認定を受けた設備投資で即時償却や税額控除を受けられる制度)も、工具・器具備品の取得価額要件が30万円以上から40万円以上に引き上げられました。中小企業投資促進税制の工具も、1台40万円以上が要件になります。
少額減価償却資産の特例が「40万円未満」になったことで、40万円未満は少額特例、40万円以上は経営強化税制などという形で、両制度の境目がそろうことになります。一方で、これまで30万円以上40万円未満の工具・器具備品で経営強化税制を使っていた会社は、改正後は同税制の対象外になる点に注意しましょう。

今回「変わらないもの」と、その他の改正

改正というと変わる点ばかりに目が行きますが、実務では「変わらないこと」を確認しておくことも同じくらい大切です。
| 項目 | 今回の扱い | 補足 |
|---|---|---|
| 中小法人の軽減税率15%(年800万円以下の所得) | 改正なし | 令和9年3月31日までに開始する事業年度が期限。所得10億円超の法人は17%(令和7年度改正) |
| 交際費 | 改正なし | 令和6年度改正で飲食費の基準は1人1万円以下 |
| 地方拠点強化税制(オフィス減税) | 拡充のうえ2年延長 | 本社機能の地方移転などを支援 |
| 雇用促進税制 | 期限到来で廃止 | ― |
特に中小法人の軽減税率15%は、令和9年3月31日までに開始する事業年度が期限です。今回の改正では手が付けられていないため、次回以降の税制改正で延長されるかどうかに注目が集まります。決算期によって影響の出る時期が違うため、自社の事業年度と照らし合わせて確認しておきましょう。
| 決算月 | 軽減税率15%の期限となる事業年度(1年決算の場合) |
|---|---|
| 3月決算 | 2026年4月1日〜2027年3月31日の事業年度 |
| 9月決算 | 2026年10月1日〜2027年9月30日の事業年度 |
| 12月決算 | 2027年1月1日〜2027年12月31日の事業年度 |
※「令和9年3月31日までに開始する事業年度」に当てはめた例です。延長されるかどうかは今後の税制改正で確認が必要です
防衛特別法人税もあわせて確認を
防衛特別法人税の計算の流れ
今回の改正そのものではありませんが、法人の税負担に関わる新しい税として「防衛特別法人税」があります。防衛力強化の財源として令和7年度税制改正で創設されたもので、2026年(令和8年)4月1日以後に開始する事業年度から課税が始まります。
たとえば基準法人税額が800万円の会社なら、(800万円 − 500万円)× 4% = 12万円が防衛特別法人税になります。一方で基準法人税額が年500万円以下の会社は、実質的に負担が生じません。多くの中小企業では影響が限られますが、利益が伸びている会社は納税額の見込みに織り込んでおきましょう。
▶ あわせて読みたい:防衛特別所得税の創設と復興特別所得税の見直し(+防衛特別法人税)
経営者がいまやっておくこと

法人向けの改正は、制度を「知っているかどうか」で結果が変わるものが多くあります。次のチェックリストで、自社に関係する点を確認してみてください。
- 今後1〜2年の設備投資計画を洗い出し、1件ごとの金額が「40万円未満」「40万円以上」のどちらになるかを確認した
- パソコン・什器など40万円未満の資産の購入予定を、決算期との関係で整理した(少額特例の年間枠の扱いは今後の政省令等を確認)
- 大型投資の予定がある場合、特定生産性向上設備等投資促進税制と中小企業経営強化税制のどちらを使うか検討した(計画期間中は重複不可)
- 賃上げの予定額から、給与総額の増加率が1.5%・2.5%のどちらに届くかを試算した
- 教育訓練費の上乗せがなくなることを踏まえ、賃上げ税制の控除額の見込みを見直した
- 研究開発に当たる費用を、日頃から区分して集計する仕組みを作った
- 防衛特別法人税(基準法人税額が年500万円を超える部分に4%)を納税予定に織り込んだ
- 自社の事業年度で、中小法人の軽減税率15%の期限(令和9年3月31日までに開始する事業年度)がいつに当たるか確認した
こうした判断には、月次の損益や給与総額の推移を早めに把握しておくことが欠かせません。決算直前になって「賃上げ率が2.5%に少し届かなかった」「40万円以上の設備を買ってしまった」と気づいても、打てる手は限られます。月次決算で数字を追いながら、期中に判断することが節税の基本です。
よくある質問
Q. 38万円のパソコンは、いま買えば全額経費にできますか?
A. 引上げ後の「40万円未満」の基準が、いつ取得した資産から使えるかは、今後公表される政省令等で確認が必要です。購入の時期によって扱いが変わる可能性があるため、決算期が近い場合は購入前にご相談ください。
Q. 中小企業は、これからも賃上げ促進税制を使えますか?
A. はい。中小企業向けは現行のまま維持され、給与総額が前年度より1.5%以上増えれば15%、2.5%以上増えれば30%の税額控除です。控除しきれない分は5年間繰り越せます。一方、教育訓練費の上乗せは廃止されます。
Q. 特定生産性向上設備等投資促進税制は、中小企業でも使えますか?
A. 青色申告法人であれば全業種が対象で、中小企業者等は投資額5億円以上が要件です(大企業などは35億円以上)。年平均の投資利益率15%以上などの要件もあるため、大規模な投資を計画している場合に検討する制度です。
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まとめ
| 制度 | ポイント |
|---|---|
| 特定生産性向上設備等投資促進税制 | 新設。中小は5億円以上の投資で即時償却か税額控除7%(建物等4%) |
| 研究開発税制 | 戦略技術領域型を新設。控除率40%(共同・委託50%) |
| 賃上げ促進税制 | 大企業向け廃止。中小企業向けは15%・30%で維持、教育訓練費の上乗せ廃止 |
| 少額減価償却資産の特例 | 40万円未満に引上げ、3年延長。400人超の法人は対象外 |
| 軽減税率15%・防衛特別法人税 | 15%は改正なし(令和9年3月31日開始年度まで)。防衛特別法人税は令和8年4月1日以後開始年度から |
- 特定生産性向上設備等投資促進税制が新設。投資額35億円以上(中小企業者等は5億円以上)、年平均投資利益率15%以上で、即時償却または税額控除7%(建物等4%)を選択。控除上限は法人税額の20%
- 研究開発税制に戦略技術領域型が新設。AI・量子など6領域で控除率40%(共同・委託50%)、控除上限は別枠で法人税額の10%
- 賃上げ促進税制は大企業向けが廃止、中堅企業向けは令和9年3月末で廃止。中小企業向けは15%・30%で維持。教育訓練費の上乗せは廃止
- 少額減価償却資産の特例は40万円未満に引上げ・3年延長。400人超の法人は対象外。年300万円枠の扱いは今後の政省令等で確認
- 中小企業経営強化税制の工具・器具備品は40万円以上が要件に
- 中小法人の軽減税率15%は今回改正なし。防衛特別法人税は令和8年4月1日以後開始事業年度から
法人向けの税制は、同じ投資・同じ賃上げでも「どの制度を、どのタイミングで使うか」で税額が大きく変わります。野村税理士事務所では、freeeなどのクラウド会計のデータをもとにしたAI月次分析レポートで、毎月の損益や給与総額の推移を見える化し、期中のうちに設備投資や賃上げの判断ができるようサポートしています。税制改正の影響を自社の数字で確認したい方は、無料相談からお気軽にご相談ください。
参考資料:財務省「令和8年度税制改正の大綱」/財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」(PDF)/財務省「令和8年度税制改正の大綱」法人課税/財務省「令和8年度税制改正の大綱」防衛力強化に係る財源確保のための税制措置/財務省「令和8年度 税制改正の解説」/財務省パンフレット「令和8年度税制改正」
※本記事は2026年9月時点で公表されている財務省資料をもとに作成し、2026年10月に図表を追加して更新しました。個別の適用可否は、今後公表される政省令等や事業の状況によって異なりますので、税理士等の専門家にご相談ください。

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野村税理士事務所代表 野村真一
税理士業界23年、野村税理士事務所代表でfreee認定アドバイザー。日本税理士会連合会、九州北部税理士会所属。認定経営革新等支援機関の認定事業者として事業再構築補助金の申請支援を行う。
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