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簡易簿記とは?青色申告の方法や複式簿記との違い、メリット・デメリットを解説

簡易簿記とは?青色申告の方法や複式簿記との違い、メリット・デメリットを解説
目次

簡易簿記とは?

簡易簿記は現金取引を中心に記帳する方法です。

簡易簿記では現金の入出金のみを記録し、資産や負債の変動は考慮しません。そのため複式簿記に比べて記帳の手間が少なく、個人事業主や小規模事業者にとって使いやすい簿記方法と言えます。

簡易簿記のメリット・デメリット

簡易簿記のメリット

簡易簿記は複式簿記と比べて次のようなメリットがあります。

  • 記帳が簡単
  • 時間と労力を削減できる
  • 学習コストが低い

簡易簿記は取引ごとに収入や支出を一度だけ記録する形式で、複式簿記のように貸方と借方を意識する必要がありません。簿記の知識が少なくても直感的に記録が可能で、初心者でもすぐに始められます。

簡易簿記は記録内容が単純なので、記帳にかかる時間を大幅に短縮できるのもメリットです。特に小規模事業や個人事業主にとって、効率的に帳簿管理が行える点が大きな魅力です。

また、複式簿記を理解するには専門知識や練習が必要ですが、簡易簿記は記帳ルールがシンプルで難しい概念も少ないため学習の負担が軽減されます。初心者でも短期間で使いこなせるようになるのが特徴です。

簡易簿記のデメリット

簡易簿記には次のようなデメリットがあります。

  • 情報量が少なく経営分析には不向き
  • 最大65万円の控除を受けられない

簡易簿記は収入と支出を単純に記録する形式のため、資産や負債の状況、利益の詳細な内訳を把握するのが難しいです。そのため、経営の現状を詳しく分析したり、意思決定に役立てたりするには情報が不十分で、複式簿記に比べて限界があります。

また、簡易簿記では複式簿記ほど詳細な記録がないため、青色申告特別控除(最大65万円控除)などの税務上の優遇措置を受けられません。

簡易簿記は複式簿記に比べてシンプルで、個人事業主や小規模事業者にとって使いやすい簿記方法ですが、経営分析や税務上の制限など考慮すべき点もあります。

簡易簿記と複式簿記の違い

簡易簿記は記帳が簡単!仕訳や勘定科目の記録が不要

複式簿記では取引の発生ごとに借方と貸方の仕訳を行い、勘定科目に記録する必要があります。

一方、簡易簿記では現金の入出金のみを記録するため仕訳や勘定科目の知識は不要です。

例えば商品を販売した場合、複式簿記では「売上」と「商品売上の原価」の仕訳が必要となりますが、簡易簿記では「現金収入」として記録するだけです。

簡易簿記は税務上の要件がやさしい!帳簿を備えて正確に記帳するだけ

青色申告特別控除を受けるには、どちらの簿記方法も税制上の要件を満たす必要があります。

簡易簿記では、現金出納帳などの帳簿を備え正確に記帳することが求められます。一方、複式簿記では貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を作成する必要があります。

簡易簿記の始め方

簡易簿記に必要な帳簿

簡易簿記では、以下の帳簿が基本となります。

  • 現金出納帳(現金の入出金を記録する帳簿)
  • 経費帳(経費の支出を記録する帳簿)
  • 売上帳(売上高を記録する帳簿)

ただし、これらの帳簿以外にも、必要に応じて預金通帳や領収書などの書類を保管しておく必要があります。

簡易簿記の実際の記帳例

以下は、簡易簿記での記帳例です。

【現金出納帳】

スクロールできます
日付摘要入金出金残高
2024年12月1日売上代金100,000円100,000円
2024年12月2日備品購入50,000円50,000円
2024年12月3日家賃30,000円20,000円

【経費帳】

日付摘要金額
2024年12月2日備品購入50,000円
2024年12月3日家賃30,000円

【売上帳】

日付摘要金額
2024年12月1日商品販売100,000円

簡易簿記で青色申告はできる?

簡易簿記は青色申告と白色申告のどちらの方法でも申告することができます。

簡易簿記で青色申告するメリット

青色申告では簡易簿記を利用することで、10万円の青色申告特別控除を受けることができます。

これは複式簿記を利用した場合の65万円控除に比べて少ないです。しかし、簡易簿記で記帳する手間を考えると、特に小規模事業者や複式簿記に慣れていない人はメリットに感じられるでしょう。

簡易簿記で青色申告特別控除を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 簡易簿記で記帳していること
  • 青色申告承認申請書を事前に税務署に提出していること
  • 収入と経費を記帳した帳簿を適切に作成・保存していること

簡易簿記を利用して青色申告特別控除を受けることで、税金を節税することができます。ただし、65万円控除と比較すると、適用対象としての節税効果は限定的です。

白色申告と青色申告の違い

白色申告と青色申告の違いは控除を受けられる金額です。

白色申告は控除額0円ですが、青色申告は10万円の控除を受けられます。

また、簡易簿記において白色申告と青色申告は記帳方法に違いがありません。同じ手間がかかっているのに、申告の方法によって控除額が10万円も違うので、確定申告では青色申告を選ぶことをおすすめします。

なお、青色申告をするためには、あらかじめ税務署へ「青色申告承認申請書」を提出しておく必要があります。

最大65万円控除を受けるにはどうすればいい?

最大65万円控除を受けるためには複式簿記で記帳する必要があります。

複式簿記では、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を作成する必要があり、簡易簿記に比べて記帳の手間がかかります。

しかし、最大65万円控除は簡易簿記の10万円控除に比べて、税金の節税額が大きいです。そのため事業規模が大きくなったり、経営分析を必要とするようになった場合は複式簿記への移行を検討する必要があります。

簡易簿記を行う際の注意点

帳簿の保存期間は5年間

簡易簿記で作成した帳簿は、税務上の義務として5年間保存する必要があります。

保存期間内に税務調査が行われた場合、税務署に提出する必要があるためきちんと保管しておくことが重要です。

帳簿の保存方法は紙媒体や電子媒体、マイクロフィルムなど、さまざまな方法があります。電子媒体で保存する場合、税務署が認める方法で保存する必要があります。

税務調査に備えて領収書や請求書は残しておく

税務調査では、帳簿の内容や取引の根拠について説明を求められることがあります。

簡易簿記では複式簿記に比べて情報量が少なく説明が難しい場合があります。そのため、税務調査に備えて取引の内容を詳細に記録しておくことが重要です。また、領収書や請求書などの証拠書類も保管しておく必要があります。

簡易簿記は複式簿記に比べてシンプルで、個人事業主や小規模事業者にとって使いやすい簿記方法です。しかし、税務上の制限や注意点など、考慮すべき点もあります。

簡易簿記を利用する際は、これらの点を理解した上で適切な方法で記帳を行うようにしましょう。

まとめ

簡易簿記は現金取引を中心に記帳する方法です。

記帳が簡単で時間と労力を削減できるなどのメリットがありますが、複式簿記と違って最大65万円の特別控除を受けられないのがデメリットです。

簡易簿記でも青色申告をすれば10万円の控除を受けられますが、65万円の控除を受けるために複式簿記を選ぶか、手間を省いて簡易簿記を選ぶか慎重に考えましょう。

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