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切手の勘定科目は貯蔵品か通信費!仕訳例や消費税の取り扱い、収入印紙との違いについて解説

切手の勘定科目は貯蔵品か通信費!仕訳例や消費税の取り扱い、収入印紙との違いについて解説

「切手を購入した際、どの勘定科目で処理すればいいの?」
「通信費と貯蔵品、どちらを使うべき?」
「収入印紙との違いや消費税の扱いも知りたい」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

業務で使用する切手は、購入時と使用時で仕訳方法が異なるため、適切な勘定科目を選択することが重要です。

また、切手と収入印紙の違いや消費税の取り扱いについても正しく理解しておく必要があります。これらを誤ると、経理処理や税務上の問題につながる可能性があります。

この記事では、切手の購入時と使用時における「貯蔵品」や「通信費」といった勘定科目の使い分け、具体的な仕訳例、消費税の取り扱い、そして収入印紙との違いについて詳しく解説します。

正確な経理処理を行いたい方や、経費計上のポイントを押さえたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

切手の勘定科目とは?

切手代は適切な処理を行うことで、経費として計上することが可能です。

切手代の勘定科目は主に以下2つに分けられ、購入時と使用時で勘定科目が異なることがあります。法人も個人事業主も同じです。

  • 貯蔵品
  • 通信費

それぞれの勘定科目について詳しく解説します。

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貯蔵品

貯蔵品は、未使用の切手、収入印紙、切手はがきなどを一時的に保管しておくための勘定科目です。

切手を購入した時点では、まだ切手を使用していない扱いになるため、資産として計上するのが一般的です。

貯蔵品として計上した切手は、使用時に適切な費用科目に振り替える必要があります。

通信費

通信費は、郵便料金、電話料金、インターネット料金など、通信に関する費用を計上するための勘定科目です。

貯蔵品として計上していた切手を使用する際に、通信費として計上するのが一般的です。

また、切手の購入時に「通信費」として計上することもでき、その場合は貯蔵品としての管理は行いません。少額の切手を頻繁に購入する場合に簡便な方法として認められています。

法人などがある程度まとまった枚数の切手を購入する場合は、貯蔵品として管理するのが一般的ですが、購入時に通信費として計上することも可能です。

ただし、期末時点で未使用の切手が余っている場合は、残高を確認し、貯蔵品として適切に振替計上する必要があります。

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切手以外の郵便物の勘定科目は?

はがきやレターパックなど切手以外の郵便物は、その種類や目的によって使用する勘定科目が異なります。

切手が印刷されているタイプのはがきなどは、切手と同様に「貯蔵品」または「通信費」の勘定科目で処理するのが一般的です。

購入した際に貯蔵品として計上して使用時に通信費に振り替えるほか、購入時に通信費として計上することも可能です。

ただし、切手が印字されていないはがきなどは、通常、文房具類と同じ扱いになり「消耗品費」や「事務用品費」として処理する必要があります。

また、レターパックなどの郵便物は、通信目的なら「通信費」、商品を発送する目的であれば売上原価または販売費として「荷造運賃費」の勘定科目を使用します。

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収入印紙と切手の違いは?勘定科目が異なる

収入印紙と切手は、どちらも郵便局などで購入できる点では共通していますが、その目的や勘定科目は異なります。

切手は郵便料金を支払うために使用されますが、収入印紙は印紙税を納付するために使用されます。

印紙税は契約書や領収書など、特定の文書に課税される税金のため、収入印紙の勘定科目は「租税公課」となります。

租税公課とは、国や地方公共団体に納付する税金、およびそれに準じる公的な負担金を計上するための勘定科目です。

また、収入印紙を文書に貼り付けた際、新たに仕訳を行う必要はありません。ただし、期末に未使用の収入印紙が残っている場合は貯蔵品として資産計上する必要があります。

切手の購入時の税区分は非課税取引?消費税の取り扱い

切手の購入時の消費税の取り扱いは、切手の種類や購入方法によって異なります。

通常、郵便切手や印紙の税区分は非課税取引に該当します。

これは、郵便サービスや行政サービスを受けるための料金を前払いするものであり、消費税の課税対象となる「資産の譲渡」や「サービスの提供」には該当しないためです。

ただし、購入方法によっては非課税取引に該当しないため注意が必要です。

切手を郵便局で購入する場合には非課税で購入できますが、コンビニや金券ショップなどで購入する場合には課税対象となる場合があります。

コンビニや金券ショップなどは、切手を販売する際に販売手数料を上乗せしており、販売手数料が課税対象となるためです。(一部、郵便切手類販売所として定められたコンビニは例外です)

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切手の2パターンの仕訳例

原則的な仕訳例|購入時に貯蔵品、使用時に通信費で計上する

原則、切手代は購入時に貯蔵品として資産計上し、切手の使用時に通信費として振替計上します。

例えば、110円の切手を100枚現金で購入し、後日10枚使用した場合の仕訳例は次のとおりです。

【切手の購入時】

借方貸方
貯蔵品11,000円現金11,000円

【切手の使用時】

借方貸方
通信費1,000円貯蔵品1,100円
仮払消費税100円

※110円切手の消費税は10円(内税)です

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例外的な仕訳例|購入時に通信費で計上する

切手は購入時に通信費で計上することも可能で、経費計上を簡便化させられます。

ただし、購入時に通信費で処理する場合は、期末時点で使用分と余った分を把握し、あまりは貯蔵品として処理する必要があります。

例えば、110円の切手を100枚現金で購入し、期末時点で未使用の切手が20枚残った場合の仕訳例は次のとおりです。

【切手の購入時】

借方貸方
通信費10,000円現金11,000円
仮払消費税1,000円

【期末時点に20枚余った場合】

借方貸方
貯蔵品2,200円通信費2,000円
仮払消費税200円

なお、購入時に通信費で計上する例外的な処理は、切手を事業のみに使用すること、および同じルールで継続的に経費処理を行うことが前提です。

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期末時に残った切手を把握するときの流れ

切手を購入時に通信費で計上する処理では、期末時に未使用分の切手を貯蔵品として振り替える必要があります。

企業が未使用分の切手を把握する際の流れは次のとおりです。

  • 経理が社内へ未使用切手の残高報告を依頼する
  • 各部門の担当者が残高表を作成する
  • 各部門の責任者が内容を承認し経理へ提出する
  • 経理が貯蔵品へ振替仕訳を行う

※必要に応じ、経理は現物と残高の一致を確認する

切手の残高表を提出した後は、決算日を過ぎるまで未使用切手を使わないよう注意が必要です。

簡易書留で送る場合の勘定科目と仕訳例

簡易書留で郵便物を送る場合、送るものよって勘定科目が異なります。

簡易書留で書類等を送る場合は「通信費」、商品を送る場合は「荷造運賃」の勘定科目を使用します。なお、金額は切手の料金と簡易書留の料金の合計額です。

また、貯蔵品の切手を使用するのか、郵便局の窓口で現金払いするのかによって仕訳方法が異なるので注意が必要です。

たとえば、簡易書留の基本料金350円、郵便基本料金110円で支払いを行った場合の仕訳例は次のとおりです。

【貯蔵品の切手を使用し、簡易書留で書類を送った場合】

借方貸方
通信費460円貯蔵品460円

【郵便窓口で支払いを行い、簡易書留で荷物を送った場合】

借方貸方
荷造運賃460円現金460円

※簡易書留の基本料金は2024年10月時点の料金

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まとめ

切手の勘定科目は「貯蔵品」または「通信費」として処理されます。購入時にすぐ使用する場合は「通信費」、未使用の切手を保管する場合は「貯蔵品」として計上するのが一般的です。

また、切手の消費税は非課税となるため仕訳時には注意が必要です。さらに、収入印紙とは会計上の取り扱いが異なるため、誤った処理をしないよう区別しておく必要があります。

適切な勘定科目を選び、消費税や仕訳のルールを理解した上で正確に経理処理を進めましょう。

執筆者
野村 真一

野村税理士事務所代表 野村真一

税理士業界20年、野村税理士事務所代表でfreee認定アドバイザー日本税理士会連合会九州北部税理士会所属。認定経営革新等支援機関の認定事業者として事業再構築補助金の申請支援を行う。

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