創業・会社設立の方へ スタートアップ応援価格をご用意していますかんたん見積り

個人事業主はどこまで経費に落とせる?経費の判断基準とよく迷う経費も紹介

「スマホ代や自宅の家賃は、どこまで経費にしていいの?」「接待やカフェ代は経費で落とせる?」「経費にしすぎて税務調査で指摘されたらどうしよう…」

個人事業主やフリーランスにとって、経費の考え方は税金の額に直結します。経費が漏れていれば税金を払いすぎることになり、反対にプライベートの支出まで経費にしてしまうと、税務調査で否認されて追加の税金がかかります。

結論からお伝えすると、経費にできるかどうかは「その支出が事業の売上を得るために必要だったか」で決まります。品目ごとに「これは経費、これは経費外」という一覧が法律で決まっているわけではありません。仕事とプライベートの両方に使う支出は、使用割合などの合理的な根拠で按分すれば、事業分を経費にできます。

この記事では、経費の判断基準、経費にするとどれくらい税金が減るかの計算例、家事按分や減価償却のルール、よく迷う支出の判定まで、福岡の税理士がわかりやすく解説します。2026年4月からの少額減価償却資産の特例(40万円未満)の改正にも対応しています。

この記事でわかること

  • 個人事業主の経費の判断基準と、経費と所得控除の違い
  • 経費が10万円増えると税金がいくら減るかの目安
  • 家事按分の考え方と、費目ごとの按分基準の例
  • 10万円・20万円・40万円で変わる減価償却のルール(2026年の改正対応)
  • スマホ代・接待・カフェ代など、よく迷う支出の判定一覧

【PR】資金繰りにお困りなら | アクセルファクター

【審査通過率93%の実績!注文書も資金化できる、個人の味方】

アクセルファクターのバナー画像

「銀行は間に合わない、でも大手ファクタリング会社だと審査が不安…」 そんな時、真っ先にチェックしてほしいのがアクセルファクター。

アクセルファクターの最大の特徴は、機械的なスコアリングではなく「人」を見てくれる柔軟な審査体制です。

審査通過率は93%を誇り、赤字や税金滞納があっても親身に相談に乗ってくれる、まさに駆け込み寺のような存在です。  

請求書はもちろん、業務を開始する前の「注文書(発注書)」の段階でも資金化が可能。

材料費や外注費が先に必要なとき、アクセルファクターを知っているだけで資金繰りの選択肢が劇的に広がります。

個人事業主OK、必要書類も「請求書・通帳・身分証」の3点のみ。最短2時間で、事業を止めることなく資金調達できるでしょう。

\通過率93%!最短2時間で入金/

目次

個人事業主の経費とは?どこまで落とせるかの判断基準

経費になるかは事業との関係で決まる:売上を得るために必要か、金額は常識の範囲か、支払いを証明できるか

経費(税法上は「必要経費」)とは、事業の売上を得るために必要な支出のことです。所得税法では、売上原価のほか、販売費・一般管理費など、その年に業務のために支払った費用を必要経費にできると定められています。事業所得は「売上-必要経費」で計算するため、経費が増えるほど所得が減り、所得税・住民税・個人事業税・国民健康保険料が少なくなります。

判断のポイントは「事業に必要な支出か」

経費にできるかどうかは、その支出が事業に直接関係しているかで判断します。迷ったときは、次の3つの質問に答えてみてください。

  1. 目的:その支出がなければ、売上を得るのに支障が出るか(仕事のための支出か)
  2. 金額:事業の規模や内容からみて、常識的な金額か
  3. 証明:領収書や請求書、帳簿の記録で、支払いの事実と内容を説明できるか

たとえば、同じ「飲食代」でも、取引先との打ち合わせなら経費になりますが、家族との外食は経費になりません。同じ「洋服代」でも、舞台衣装や作業着のように仕事でしか使わないものは経費になりますが、普段着にもなるスーツや私服は原則として経費になりません。品目の名前ではなく、使い道で決まるのがポイントです。

経費として計上できる主な支出と勘定科目

勘定科目主な支出の例
地代家賃事務所・店舗の家賃、駐車場代、自宅兼事務所の家賃(事業分)
水道光熱費事務所の電気・ガス・水道代、自宅兼事務所の場合は事業分
通信費スマホ・固定電話の料金、インターネット回線、切手代
消耗品費文房具、10万円未満のパソコンや机・椅子、プリンターのインク
旅費交通費電車・バス・タクシー代、出張の交通費や宿泊費
接待交際費・会議費取引先との会食、手土産、打ち合わせの飲食代
広告宣伝費チラシ、ホームページ制作、ネット広告、名刺
外注工賃・給料賃金外注先への報酬、従業員の給与
法定福利費従業員の社会保険料・労働保険料のうち事業主負担分
損害保険料店舗の火災保険料、賠償責任保険料(事業分)
租税公課個人事業税、固定資産税(事業分)、印紙税、自動車税(事業分)
減価償却費パソコン・車・設備など、長く使う資産の購入費を分けて計上
新聞図書費・研修費仕事に関する書籍・有料記事、セミナー受講料

元の記事では「社会保険料」を経費の例に挙げていましたが、これは従業員の社会保険料のうち事業主が負担する部分のことです。個人事業主本人の国民健康保険料や国民年金保険料は経費にはならず、確定申告で「社会保険料控除」として所得から差し引きます。

「経費」と「所得控除」は別もの

経費は事業の売上から差し引くもの、所得控除は所得から差し引くもので、どちらも税金を減らしますが、仕組みが違います。本人の生命保険料や医療費、国民年金保険料などは経費ではなく所得控除の対象です。なお、2026年分(令和8年分)は基礎控除が本則62万円に引き上げられ、合計所得金額489万円以下の人は特例の上乗せで104万円になります(財務省「令和8年度税制改正の大綱」)。

▶ あわせて読みたい:「経費で落とす」とはどういう意味?経費の種類や経費計上の条件について解説

経費にするとどれくらい税金が減る?計算例

経費が10万円増えたときに減る税金の目安のグラフ(所得税と住民税)

経費を計上すると、その分だけ所得が減り、所得にかかる税金が減ります。減る税金の目安は「経費の額 × 税率」です。所得税は課税所得に応じて5%〜45%の累進税率、住民税は一律10%なので、たとえば課税所得が195万円超330万円以下の人(所得税率10%)が経費を10万円増やすと、所得税約1万210円(復興特別所得税を含む)と住民税1万円で、合計約2万円の税金が減ります(上のグラフ)。

さらに、個人事業税(業種により3〜5%、事業主控除290万円を超える所得にかかる)や、所得をもとに計算する国民健康保険料も下がるため、実際の効果はもう少し大きくなります。

「経費を使えば得」ではない点に注意

ここで注意したいのは、経費を10万円使っても、戻ってくる税金は2〜3割程度ということです。10万円を支払って2万円の税金が減るなら、手元のお金は8万円減ります。節税のために必要のないものを買うと、かえって資金繰りを悪くします。経費は「必要なものを漏れなく計上する」ことが基本です。

▶ あわせて読みたい:経費で落とすとどれくらい得?経費のシミュレーションと経費にするメリット・デメリットを解説

家事按分とは?仕事とプライベートの両方に使う支出の分け方

費目按分の基準の例計算例
家賃仕事に使う部屋の床面積の割合家賃9万円×(仕事部屋10㎡÷全体30㎡)=月3万円
電気代仕事で使う時間・部屋の割合電気代1万2,000円×30%=月3,600円
スマホ・ネット代仕事で使う時間や通話履歴の割合月8,000円×60%=月4,800円
車の維持費・ガソリン代走行距離の割合(運転日誌で記録)年24万円×(仕事4,000km÷全体6,000km)=16万円
住宅ローンの自宅床面積の割合(利息・減価償却費・固定資産税)元本の返済分は経費にならない

家事按分(かじあんぶん)とは、自宅の家賃や光熱費、スマホ代のように、仕事とプライベートの両方に使う支出(家事関連費)を、事業に使った割合で分けて、事業分だけを経費にする方法です。自宅の一室を仕事場にしているフリーランスや、1台の車を仕事と私用で使っている個人事業主の多くが使っています。

家事按分のルール

所得税法では、家事関連費のうち、業務の遂行上必要な部分を明らかに区分できる場合に、その部分を経費にできるとされています。国税庁の通達では、業務に使う部分が50%を超えるかどうかで判断するのが原則ですが、50%以下でも、必要な部分を明らかに区分できれば、その部分を経費にしてよいとしています(所得税基本通達45-1、45-2。国税庁「No.2210 やさしい必要経費の知識」も参照)。

つまり、按分割合に決まった数字はなく、大切なのは「なぜその割合なのか」を説明できることです。面積・時間・距離など、客観的な数字を使うのが基本です。

家事按分でよくある誤解と注意点

✓ 家事按分の注意点
  • 自宅で実際に仕事をしていなければ、家賃や光熱費は按分できない
  • 「なんとなく50%」ではなく、面積・時間・距離などの根拠を残す
  • 持ち家の場合、住宅ローンの元本返済は経費にならない(利息・減価償却費・固定資産税の事業分が対象)
  • 持ち家の一部を経費にすると、住宅ローン控除の対象がその分減ることがある
  • 一度決めた割合は、使い方が変わらない限り毎年同じ基準で計算する

家族名義の賃貸物件で家族が家賃を払っている場合や、生計を一にする親族に家賃を払っている場合は、経費にできないことがあります。契約者や支払者がだれかも確認しておきましょう。

高額な物は減価償却|10万円・20万円・40万円の境目

1つあたりの取得価額経費にする方法対象
10万円未満買った年に全額を経費(消耗品費など)すべての個人事業主
10万円以上20万円未満一括償却資産として3年で均等に経費すべての個人事業主
10万円以上40万円未満(2026年4月以後取得)少額減価償却資産の特例で全額を経費(年300万円まで)青色申告者で一定の中小事業者
上記を超えるもの耐用年数に応じて毎年減価償却すべての個人事業主

出典:国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」(令和8年4月1日現在法令等)。特例の上限30万円未満は、2026年3月31日までに取得したものに適用

パソコンや車、店舗の設備のように、長く使う高額な資産は、買った年に全額を経費にするのではなく、使える年数(耐用年数)に分けて少しずつ経費にします。これを「減価償却(げんかしょうきゃく)」といいます。

2026年4月から特例が40万円未満に拡大

青色申告をしている一定の中小事業者は、「少額減価償却資産の特例」で、1つ30万円未満の資産を買った年に全額経費にできました。令和8年度税制改正で、2026年(令和8年)4月1日以後に取得したものは40万円未満まで対象が広がりました(年間の合計300万円まで、2029年3月31日取得分まで)。国税庁の案内でも、令和8年4月1日現在の法令としてこの内容が示されています(国税庁「No.2100」、財務省「令和8年度税制改正の大綱」)。白色申告の人はこの特例を使えないので、青色申告のメリットの一つといえます。

減価償却の計算例(定額法)

個人事業主の減価償却は、届出をしなければ「定額法」で計算します。2007年(平成19年)4月1日以後に取得した資産は、「取得価額 × 定額法の償却率」で毎年の償却費を計算し、最後は1円(備忘価額)を残すまで償却します。

例:2026年1月に50万円の業務用パソコンを購入(耐用年数4年、定額法の償却率0.250)

  • 1年目〜3年目:50万円 × 0.250 = 毎年12万5,000円
  • 4年目:12万4,999円(1円を残す)
  • 年の途中で使い始めたときは、使った月数で按分(例:10月から使用なら3か月分)

元の記事では「(取得価額-残存価値)÷耐用年数」、パソコン10万円・残存価値1万円という例を紹介していましたが、これは2007年3月以前に取得した資産の旧ルールに近い考え方です。現在は残存価値(取得価額の10%)の考え方はなく、1円まで償却します。また、10万円のパソコンは一括償却資産や少額減価償却資産の特例も選べるため、耐用年数で償却する必要はありません。

なお、パソコン(サーバー用を除く)の耐用年数は4年です。仕事と私用で兼用している資産は、減価償却費も家事按分します。

経費を計上するときの3つのポイント

経費を計上するときの3つのポイント:領収書・請求書を保存する、事業とプライベートを分ける、帳簿に毎回記録する

ポイント①領収書や請求書などの証拠書類を保存する

経費を計上するには、支払いの事実と内容を示す書類が必要です。領収書のほか、レシート、請求書、クレジットカードの利用明細、振込の控えなども証拠になります。領収書には、一般に次の事項が書かれているか確認しましょう。

  • 日付
  • 宛名(上様ではなく、屋号や氏名)
  • 金額
  • 但し書き(何の代金か)
  • 発行者の氏名または名称・住所

消費税の課税事業者で、仕入税額控除を受ける場合は、インボイス(適格請求書)の記載事項がそろっているかも大切です。登録番号や適用税率、税率ごとの消費税額などの記載が必要です(国税庁「インボイス制度の概要」)。

電車代や慶弔費など、領収書が出ない支出は、日付・支払先・金額・内容をメモした「出金伝票」を作っておきましょう。

書類の保存期間は原則7年

申告の種類帳簿領収書・請求書などの書類
青色申告7年原則7年(請求書・見積書・納品書など5年でよい書類もある)
白色申告7年(収入・経費を記載した帳簿)5年

出典:国税庁「No.2070 青色申告制度」、国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」。期間は確定申告期限の翌日から数えます

元の記事では「最低5年間は保管」としていましたが、青色申告では帳簿も領収書も原則7年の保存が必要です。迷ったら7年保存しておけば安心です。スマホで撮影して電子保存する場合は、電子帳簿保存法の要件を満たす会計ソフトやアプリを使いましょう。

ポイント②事業とプライベートのお金を分ける

事業用の銀行口座とクレジットカードを1つずつ用意し、事業の支払いはそこからだけ行うようにすると、経費の区分がはっきりします。私用のカードで経費を払ったり、事業用口座から生活費を引き出したりした場合は、「事業主貸」「事業主借」という勘定科目で処理します。

ポイント③帳簿に毎回記録し、使った目的を残す

領収書をためこんで年末にまとめて入力すると、何のための支出だったかを忘れてしまいます。会計ソフトに銀行口座やカードを連携すれば、明細が自動で取り込まれるため、入力の手間が大きく減ります。接待や打ち合わせの飲食代は、相手の名前や人数、目的を摘要欄にメモしておきましょう。

\最短即日で入金!オンライン契約OK/

どこまで経費として認められる?よく迷う支出の判定一覧

支出判定ポイント
スマホ・携帯電話の料金○(事業分)兼用なら使用割合で按分
交通違反の罰金・反則金×業務中でも経費にならない
メガネ・コンタクト×(原則)私生活でも使うため
取引先との忘年会・接待○二次会でも事業目的なら可。個人事業主は交際費の上限なし
スポーツジムの会費(本人)×健康維持は個人の支出
健康診断・人間ドック(本人)×従業員全員が対象なら福利厚生費
カフェ代(作業・打ち合わせ)○一人の食事代は原則×
スーツ・私服×(原則)作業着・制服・衣装は○
家族への給与△青色事業専従者給与の届出などが必要

ここからは、個人事業主がよく迷う支出について、経費として認められるかどうかを解説します。判定はあくまで一般的な目安で、実際には事業の内容や使い方によって変わります。

携帯電話・スマホの料金

経費計上できます。仕事専用の携帯電話なら全額、仕事とプライベートで兼用している場合は、仕事に使っている割合(通話履歴や使用時間など)で按分した分を経費にします。スマホ本体の購入代も同じ考え方で、10万円未満なら買った年の消耗品費にできます。

仕事中の交通違反の罰金・反則金

経費計上できません。所得税法では、罰金・科料・過料や交通反則金は、業務に関連するものでも必要経費にならないと定められています。駐車違反の放置違反金も同様です。

メガネやコンタクトの購入費用

原則として経費計上できません。メガネやコンタクトは私生活でも使うため、事業のためだけの支出とはいえません。なお、医師の治療を受けるために直接必要なメガネ(白内障の手術後など)は医療費控除の対象になることがありますが、一般的な近視や老眼のメガネは対象外です。

取引先との忘年会や接待の費用

事業のための接待なら経費計上できます。元の記事では「一次会までは交際費、二次会以降はプライベート」としていましたが、そのような決まりはありません。二次会でも、取引先との関係づくりなど事業のための支出であれば経費になり、一次会でも私的な集まりなら経費になりません。

個人事業主の交際費には、法人のような損金算入の上限はありません。ただし、売上に比べて交際費が極端に多いと、税務調査で事業との関係を細かく確認されます。相手の名前・人数・目的を記録しておきましょう。

▶ あわせて読みたい:個人事業主の交際費の使いすぎはいくら?上限はある?使いすぎた場合のリスクを解説

スポーツジムの会費

本人が通うジムの会費は経費計上できません。健康維持は個人の生活に関する支出と考えられるためです。従業員がいる場合に、全員が利用できる法人契約の会費などは、福利厚生費として経費にできることがあります。

健康診断や人間ドックの費用

本人の分は経費計上できません。従業員を雇っていて、全員を対象に健康診断を受けさせる場合は、その費用を福利厚生費として経費にできます。

カフェの飲食代

作業場所として使ったときや、打ち合わせのときは経費計上できます。作業のためのコーヒー代は会議費や雑費、取引先との打ち合わせで出した飲食代は会議費や交際費になります。一方、一人で食べる昼食代は、仕事の合間でも生活費なので経費にはなりません。

税理士のひとこと:経費にできるかは、支出の名前ではなく使い道で決まります

経費として認められない支出とは?税金・保険料の扱い

経費にならない主な支出
  • 所得税・住民税・延滞税・加算税
  • 本人の国民健康保険料・国民年金保険料
  • 本人の生命保険料・個人年金保険料
  • 罰金・交通反則金
  • 私的な旅行・食事・洋服代
経費になる主な税金・保険料
  • 個人事業税
  • 固定資産税・自動車税(事業分)
  • 印紙税、事業用の登録免許税
  • 店舗の火災保険料・賠償責任保険料
  • 消費税(税込経理の場合の納付額)

プライベートな支出

次のような支出は、仕事をしている時間に使ったとしても、原則として経費になりません。

  • プライベートな旅行費用や、家族・友人との食事代
  • 美容院代や、普段着にもなる洋服代
  • 私用の車の維持費、映画館や遊園地などの娯楽費
  • 住宅ローンの元本返済や家族の生活費

美容院代や洋服代でも、タレントやモデルが撮影のために使う場合など、仕事のためだけの支出であることを説明できる場合は経費になり得ます。事業の内容に照らして判断しましょう。

税金や保険料

所得税・住民税は、個人の所得に対してかかる税金なので経費になりません。一方、個人事業税や、事業用の資産にかかる固定資産税・自動車税は、事業分を租税公課として経費にできます。

元の記事では「消費税は経費計上できない」としていましたが、これは経理方式によって違います。免税事業者や、消費税込みの金額で帳簿をつける「税込経理方式」の場合、納めた消費税は租税公課として経費になります。税抜経理方式の場合は、消費税を売上・経費と分けて処理するため、納付額は経費になりません。

保険料は、店舗の火災保険や賠償責任保険など事業のためのものは経費になりますが、本人の生命保険料や個人年金保険料は経費ではなく、生命保険料控除(所得控除)の対象です。

税務調査で経費を否認されないための準備

税務調査で否認されないために:事業との関係を説明できる、按分の根拠を残しておく、迷う支出は先に相談

税務調査では、売上の計上漏れと並んで、経費が事業に関係しているかどうかが確認されます。プライベートの支出を経費にしていたと判断されると、本来の税金に加えて、過少申告加算税(原則10%、一定額を超える部分は15%)や延滞税がかかります。事実を隠したり偽ったりしていた場合は、重加算税(35%)が課されることもあります。

✓ 否認されないために日ごろからやっておくこと
  • 領収書・レシートに、相手や目的をメモしておく
  • 家事按分の割合と、その根拠(面積・時間・距離)を書面で残す
  • 事業用の口座・カードを分け、私用の支払いを混ぜない
  • 毎月帳簿をつけ、年末にまとめて処理しない
  • 判断に迷う支出は、申告の前に税理士へ相談する

なお、2027年分(令和9年分)以後は、e-Taxで申告し、仕訳帳・総勘定元帳を電子で保存するなどの要件を満たすと、青色申告特別控除が最大75万円に引き上げられます(財務省「令和8年度税制改正の大綱」)。会計ソフトで毎月記帳しておくことは、経費の説明にも控除の上乗せにも役立ちます。

税理士のひとこと:迷う支出は、使った目的をメモしておくだけで説明がぐっと楽になります
あわせて読みたい
税務調査|福岡の税理士|野村税理士事務所 税務調査の種類・流れ・対象になりやすい特徴、申告漏れがあった場合の加算税率、税理士に立会いを依頼するメリットを、福岡の税理士がわかりやすく解説します。

まとめ

まとめ:経費の基準は事業のためか。家事按分は根拠が大切、高額な物は減価償却、証拠書類は7年保存

個人事業主がどこまで経費に落とせるかは、「その支出が事業の売上を得るために必要だったか」で決まります。仕事とプライベートの両方に使う支出は、面積・時間・距離などの根拠をもとに家事按分すれば、事業分を経費にできます。

パソコンや車など高額な資産は減価償却で数年に分けて経費にしますが、青色申告者は2026年4月以後に取得した40万円未満の資産を、年300万円まで一括で経費にできるようになりました。領収書などの証拠書類は原則7年保存し、使った目的をメモしておきましょう。

経費は「使えば得」ではなく、必要なものを漏れなく計上することが大切です。判断に迷う支出は、自己判断せずに税理士に相談してください。

経費の判断や記帳に迷ったら

福岡の野村税理士事務所では、個人事業主の方の経費の判断から、クラウド会計による記帳の仕組みづくり、確定申告まで一貫してサポートしています。freee認定アドバイザーとして会計ソフトの導入をお手伝いし、毎月の数字をAIで分析する「AI月次分析レポート」で、経費の使い方や利益の推移をわかりやすくお伝えします。

関連記事:

あわせて読みたい
個人事業主の税務顧問|福岡の税理士 個人事業主が顧問税理士に依頼できる業務、かかる税金と令和8年度改正、開業時の届出、野村税理士事務所のサポート・料金の考え方・ご契約の流れを、福岡の税理士が紹介します。

参考資料:国税庁「No.2210 やさしい必要経費の知識」/国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」/国税庁「No.2070 青色申告制度」/国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」/国税庁「インボイス制度の概要」/国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」/財務省「令和8年度税制改正の大綱(個人所得課税)」/財務省「令和8年度税制改正の大綱(法人課税)」

※本記事は2026年9月時点の公表情報をもとに作成しています。税額の計算例は目安であり、個別の状況によって結果は異なります。具体的な判断は税理士等の専門家にご相談ください。

税金・お金のことなら野村税理士事務所へ

税金や資金繰りの課題を解決するなら、野村税理士事務所へご相談ください。

当事務所は、福岡を中心に企業経営者の税務と経営を支援している税理士事務所です。IT・Webにも強く、あらゆる業種の事業者様のクラウド会計の導入サポートを通じ、事業の安定化を図ります。

オンライン相談にも対応しており、遠方からでも専門家のアドバイスを受けることができます。初回のご相談は無料ですので、節税や資金調達でお悩みの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

執筆者
野村税理士事務所 代表 野村真一
野村 真一

野村税理士事務所代表 野村真一

税理士業界23年、野村税理士事務所代表でfreee認定アドバイザー。日本税理士会連合会、九州北部税理士会所属。認定経営革新等支援機関の認定事業者として事業再構築補助金の申請支援を行う。

YouTube・TikTokでは「税理士のむさん」として、税金・会計のポイントを短い動画で解説しています。
▶ YouTube ▶ TikTok

>> 執筆者プロフィール

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次