「大学生のうちに社労士資格を取得するとどんなメリットがあるの?」
「就職活動で有利になるって本当?」
「合格するための効果的な勉強スケジュールを知りたい!」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
社会保険労務士(社労士)は、労働法や社会保険制度の専門家として、企業の人事・労務管理をサポートする重要な役割を担っています。大学生のうちに社労士資格を取得することで、就職活動や将来のキャリアにおいて大きなアドバンテージを得ることができます。
この記事では、大学生が社労士資格を取得するメリット、主な就職先、大学生の合格率、そして効果的な勉強スケジュールについて詳しく解説します。
大学生に社労士資格の取得がおすすめな理由
①就活で有利になる
社労士資格は難関国家資格の一つであり、人事・労務職を志望する人であれば就職活動において大きなアドバンテージとなります。具体的な理由は次の3点です。
- 専門性の高さを示す証拠になる
- 資格取得を目指す過程も学習意欲の高さが伺える
- 他の応募者との差別化になる
企業は労働法や社会保険に関する専門知識を持つ人材を高く評価するため、社労士資格を持つ大学生は、書類選考や面接で有利になる可能性が高いです。
特に、人事・労務関連の職種を希望する場合、社労士資格は専門性を示す証拠となり採用担当者に好印象を与えるでしょう。
また、資格取得に向けて努力した過程も自己PRにおいてアピールポイントであり、目標達成能力や学習意欲の高さを伝えることができます。
他の応募者との差別化を図り、内定獲得の可能性を高める上で、社労士資格は非常に有効な手段と言えるでしょう。
②就職先の選択肢が広がる
社労士資格を持つことで、一般的な企業だけでなく社労士事務所やコンサルティング会社など、専門性の高い分野への就職も視野に入れることができます。
社労士事務所では企業の労務管理や社会保険手続きの代行、年金相談など、幅広い業務に携わることができ、専門知識を活かして社会に貢献することが可能です。
例えば、コンサルティング会社では企業の労務問題に関するアドバイスや人事制度の構築支援など、より戦略的な業務に携われます。
さらに、将来的には独立開業という選択肢も考慮に入れることができ、自分の裁量で仕事を進めたいと考える人にとって魅力的なキャリアパスとなるでしょう。
③就職後のキャリアアップにつながる
社労士資格は就職後もキャリアアップに大きく役立ちます。
企業内では人事・労務部門において専門知識を活かして活躍でき、昇進や昇給のチャンスが広がります。
例えば、労働法や社会保険に関する知識は企業経営において不可欠で、企業内でも重宝されやすいです。
また、資格取得を通じて得られた知識やスキルは他の部門でも応用することができ、幅広い業務で活躍できます。
営業部門では労働法に関する知識を活かして顧客との信頼関係を築いたり、法務部門では契約書の作成や法的リスクの管理に貢献したりすることが可能です。
④大学生は勉強しやすい環境が整っている
大学生は勉強しやすい環境が整っているのも、社労士の資格取得がおすすめな理由です。
一般的に、大学生は時間的な余裕があるほか、大学には図書室や図書館、自習室など集中して学習に取り組める環境があります。
さらに、大学の先生や先輩など、相談できる相手がいることも学習を進める上で心強いサポートとなります。
社労士資格取得に向けて計画的に学習を進めることで、大学生のうちに難関資格を取得することも十分に可能です。
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社労士資格を取得した後の就職先
大学生が社労士資格を取得した後の就職先として、以下があります。
- 社労士事務所、社労士法人
- 会計事務所、税理士法人
- 一般企業の人事部
- コンサルティング会社
それぞれ詳しく紹介します。
①社労士事務所、社労士法人
社労士事務所や社労士法人は、社労士資格取得者の代表的な就職先です。
仕事として企業の労務管理、社会保険手続き、給与計算、年金相談など、幅広い業務に携わることができます。さまざまな業種の企業の労務問題に対応するため幅広い知識と経験を積むことが可能です。
そのほか、顧客とのコミュニケーション能力も重要となるため、対人スキルを磨くことも可能です。
特に、社労士法人では、より専門性の高い業務に携わることができ高度な知識やスキルを身につけることができます。場合によっては大規模な案件を担当することもあるため、プロジェクトマネジメント能力の向上も期待できます。
②会計事務所、税理士法人
会計事務所や税理士法人の中には、社労士事務所を併設している場合も多く、社労士資格を持っていれば、会計事務所や税理士法人への就職も選択肢に入ります。
企業の税務会計業務に加えて労務管理や社会保険手続きのサポートも行うことがあり、特に有資格者であればより幅広いサービスを提供することが可能です。
また、税理士と連携して企業の経営に関するアドバイスを行うこともあり、コンサルティング能力を磨くことも可能です。
税務会計の知識と労務管理の知識を組み合わせることで、企業の経営を総合的にサポートできる人材として、キャリアアップを目指すことができます。
③一般企業の人事部
一般企業の人事部への就職を考えている人にも、社労士の資格取得がおすすめです。
人事部では採用、研修、労務管理、給与計算、社会保険手続きなど幅広い業務を担当します。
社労士資格を持つことでこれらの業務を専門的な知識を持って遂行でき、企業の人材戦略に貢献することができます。
特に、労働法や社会保険に関する知識は企業経営において不可欠であり、社労士資格を持つ人材は企業内で重宝されやすいです。
また、従業員の労働環境改善やモチベーション向上など、より働きやすい企業づくりに貢献することもできます。
企業の人事戦略の中核を担い、従業員の成長をサポートする役割を担いたいと考える人にとって、一般企業の人事部は最適な就職先と言えるでしょう。
④コンサルティング会社
社労士資格を取得した後の就職先として、コンサルティング会社も選択肢のひとつです。
コンサルティング会社では、企業の労務問題に関するアドバイスや人事制度の構築支援など、より戦略的な業務に携われる可能性があります。
労働法や社会保険に関する専門知識を活かして企業の課題解決に貢献することができるほか、さまざまな業種の企業を担当することが多いため幅広い知識と経験を積むことができます。
コンサルティング会社では高度な分析能力や問題解決能力が求められるため、自己成長を追求したいと考える人にとって、魅力的なキャリアパスとなるでしょう。
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社労士試験の難易度は?大学生の試験合格率
社労士試験は合格率が例年5%〜7%程度の難関国家資格です。過去の合格率の推移は次のとおりです。
年度 | 合格率 |
---|---|
令和6年度(2024年) | 6.9% |
令和5年度(2023年) | 6.4% |
令和4年度(2022年) | 5.3% |
令和3年度(2021年) | 7.9% |
令和2年度(2020年) | 6.4% |
令和元年度(2019年) | 6.6% |
また、厚生労働省の令和6年の発表によると、学生の合格率は0.7%となっています。
- 会社員:59.9%
- 無職:10.6%
- 公務員:8.6%
- 団体職員:4.9%
- 自営業:4.2%
- 役員:3.4%
- 学生:0.7%
- その他:7.7%
合格者の年齢別割合では24歳以下が2.1%となっており、大学生で社労士試験に合格している人は少ないことがわかります。
しかし、社労士試験には受験資格があり、大学生の誰もが受験できるわけではありません。そもそも社労士試験の受験者に学生が少ないため、大学生の合格が難しいと一概に言い切ることはできません。
社労士試験の合格率や合格ラインについて詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。

大学生は社労士試験の受験資格に注意する
社労士試験には受験資格が定められており、大学生は注意が必要です。社労士試験の受験資格は大きく3つあり、次のとおりです。
- 大学、短期大学、高等専門学校(5年制)を卒業している
- 労務関係の実務経験が通算3年以上ある
- 国家資格(行政書士など)を有している
これらの受験資格は、さらに細分化して16コード定められており、そのうちひとつでも満たしていれば社労士試験を受験することが可能です。特に大学生であれば、次の受験資格が当てはまります。
【受験資格】
- 上記の大学(短期大学を除く)において62単位以上の卒業要件単位を修得した者
- 上記の大学(短期大学を除く)において一般教養科目と専門教育科目等との区分けをしているものにおいて一般教養科目36単位以上を修得し、かつ、専門教育科目等の単位を加えて合計48単位以上の卒業要件単位を修得した者
【提出書類(受験資格証明書)】
大学の成績証明書又はその写し
通常、62単位であれば2年生の終わりに修得できる計算なので、早ければ4年制大学の3年生から受験資格を満たすことが可能です。
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大学生の勉強スケジュールは?2年生から勉強開始して3年生で受験
大学生が社労士試験に合格するためには、計画的な勉強スケジュールを立てることが重要です。2年生から勉強を開始し3年生で受験するのが理想的なスケジュールと言えるでしょう。
通常、社労士試験を受験できるのは最短で3年生からで、しっかり学習を行えば1年間の勉強で社労士試験に合格することは十分可能です。
そのため、2年生のうちから社労士試験の学習をはじめ、基礎知識の習得に重点を置いてテキストをじっくり読み込んだり、基本問題を解いたりして、土台を固めることが大切です。
3年生になったら過去問を積極的に解き、実践的な問題解決能力を養うとともに、模擬試験を定期的に受験し、自分の弱点を把握するのが理想的なスケジュールといえます。
試験直前には暗記科目の見直しや苦手科目の克服に力を入れ、万全の状態で試験に臨むようにしましょう。
また、社労士試験の合格に必要な時間は1,000時間とされており、一般的には平日3時間、休日5時間(1週間で25時間)の学習が1年で合格を目指す勉強時間の目安となります。

社労士試験は独学で合格は難しい?試験難易度が高い理由
理由①試験範囲が合計10科目と広い
社労士試験の難易度が高い理由の一つとして、試験範囲が非常に広いことが挙げられます。社労士試験の科目と配点は次のとおりです。
項目 | 選択式の配点 | 択一式の配点 |
---|---|---|
労働基準法 | 1問(5点) | 10問(10点) |
労働安全衛生法 | ||
労働者災害補償保険法 | 1問(5点) | 7問(7点) |
雇用保険法 | 1問(5点) | 7問(7点) |
労働保険の保険料の徴収等に関する法律 | – | 6問(6点) |
労務管理その他の労働に関する一般常識 | 1問(5点) | 10問(10点) |
社会保険に関する一般常識 | 1問(5点) | |
健康保険法 | 1問(5点) | 10問(10点) |
厚生年金保険法 | 1問(5点) | 10問(10点) |
国民年金法 | 1問(5点) | 10問(10点) |
合計 | 8問(40点) | 70問(70点) |
配点は選択式試験が1問5点の計8問40点、択一式試験が1問1点の計70問70点です。
これらの法律は条文数が多く内容も複雑であるため、独学で全てを理解することはとてもハードルが高いです。各科目の関連性も深く、一つの科目を理解するだけでは、他の科目の理解も深まりません。
試験範囲が広いということは、それだけ多くの知識を習得する必要があるということであり、独学で効率的に学習を進めることは難しいと言えるでしょう。
社労士試験の試験内容や試験日について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。

理由②科目ごとに足切り(合格基準点)がある
社労士試験には、科目ごとに足切り(合格基準点)が設けられていることも難易度が高い理由の一つです。
令和6年度における社労士試験の合格基準は次のとおりです。
- 選択式:25点/45点中
※必要最低点数:労働に関する一般常識は2点以上、ほかは3点以上 - 択一式:44点/75点中
※必要最低点数:各科目4点以上
全体の合計点が合格点を超えていても、一部の科目の点数が足切り点を下回ってしまうと不合格となってしまいます。例えば、選択式問題の「労働基準法」が2点なら、選択式で合計30点を獲得していても不合格です。
全ての科目をバランス良く学習する必要があり、苦手科目がある場合は集中的に克服することが重要です。
また、足切り点は毎年変動するため、過去のデータだけでなく最新の情報を把握しておく必要があります。


理由③常に最新の法改正を把握しておく必要がある
社労士試験では、常に最新の法改正を把握しておく必要があります。労働法や社会保険に関する法律は頻繁に改正されるため、試験対策も常にアップデートしなければなりません。
独学であれば最新の法改正情報を自分で収集し、理解する必要があることに加え、最新の法改正の把握に時間と労力がかかります。
法改正の内容を正確に理解するためには、専門的な知識が必要となる場合もあります。
そのため、可能であれば通信講座や予備校などを利用して、最新の法改正情報を効率的に収集し、試験対策に役立てることが理想的です。

大学生が社労士試験の合格を目指すなら通信講座を利用しよう
大学生が社労士試験の合格を目指すなら通信講座の利用がおすすめです。
通信講座では専門講師による講義動画や、オリジナル教材が提供されるため効率的に学習を進めることができます。さらに、質問制度や添削指導などサポート体制も充実しており、疑問点をすぐに解決することが可能です。
また、通信講座は時間や場所を選ばずに学習できるため、学業との両立がしやすいというメリットがあります。
独学の場合、教材選びから学習計画の立案、法改正情報の収集など全て自分で行う必要がありますが、通信講座を利用すればこれらの手間を省くことができます。
「講座の選び方がわからない」という方は、以下の記事で通信講座・予備校のカリキュラムや料金を比較解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。

まとめ
社労士資格は大学生にとって就職活動やキャリア形成に有利な資格です。取得者が少ないため、他の就活生との差別化が図れます。
試験の合格率は平均6~7%と難易度が高く、合格には約1,000時間の学習が必要とされているため、 1年間の学習期間を確保し、計画的に勉強を進めることが重要です。
計画的な勉強スケジュールを立て、効率的に学習を進めていきましょう。独学では社労士試験に合格するハードルが高いため、可能であれば通信講座を利用して効率的に学習を行いましょう。
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