「社労士試験って本当に難しすぎるの?」
「なぜ合格率が低いのか知りたい」
「他の国家資格と比べてどれくらい難しいの?」
こんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
社労士試験は労働・社会保険関連の法律を中心に幅広い知識が求められる国家資格試験で、毎年の合格率はわずか6〜7%前後と非常に低いのが特徴です。
その難しさの理由として、試験範囲の広さや細かい法改正への対応が求められる点が挙げられます。また、他の国家資格と比べて独学では合格が難しいとも言われています。
この記事では、社労士試験が「難しすぎる」と言われる理由や試験内容を詳しく解説します。他の主要な国家資格と比較してどれほどの難易度なのかも分析するので、これから受験を考えている方はぜひ最後までご覧ください。
社労士の通信講座・予備校の利用を考えている方、講座の選び方がわからないという方は、以下の記事で通信講座・予備校のカリキュラムや料金を比較解説しているのでぜひあわせてご覧ください。

社労士試験は難しすぎ?合格率と勉強時間でわかる難しさ
社会保険労務士(社労士)試験は、国家資格の中でも難関とされる試験のひとつです。ほかの国家資格と合格率と勉強時間を比較した表が以下です。
資格名 | 合格率の目安 | 勉強時間の目安 |
---|---|---|
司法書士試験 | 約3.5% | 約3,000時間 |
中小企業診断士 (一次・二次) | 約4% | 約1,000時間 |
社労士試験 | 約6~7% | 約800〜1,000時間 |
行政書士試験 | 約11% | 約800〜1,000時間 |
宅建試験 | 約15〜17% | 約300時間 |
司法試験 | 約30% | 約3,000〜8,000時間 |
合格率は例年6~7%程度と低く、多くの受験生が苦戦しています。
さらに、社労士試験の合格に必要な勉強時間は、一般的に800~1000時間程度と言われており、これは他の国家資格と比較しても多い部類です。
合格に必要な勉強時間はあくまで目安であり、個人の学習能力や予備知識などによって大きく異なります。法律系の知識が全くない人がゼロから学習を始める場合は、さらに多くの時間がかかる可能性もあります。
社労士試験の勉強を始めるか迷っている方は、以下の記事で社労士試験に合格するすごさについて解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。

社労士試験が難しすぎる理由
試験範囲の広くて暗記量が膨大
社労士試験が難しい主な理由のひとつとして、試験範囲が非常に広いことが挙げられます。
労働基準法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法など、多岐にわたる法律や制度を学ぶ必要があります。
これらの法律は条文数が非常に多く、細かな規定や例外規定も多く存在するため暗記すべき量が膨大です。条文の内容を正確に理解するだけでなく、その背景にある制度の趣旨や目的までを理解する必要があります。
さらに、これらの法律は改正も頻繁に行われるため常に最新の情報を把握しておかなければなりません。
学習内容が複雑で難しい
社労士試験の学習内容は単に法律の条文を覚えるだけでなく、その解釈や運用に関する知識も必要となります。
法律には抽象的な規定も少なくなく、具体的な事例に適用する際に高度な判断能力が求められます。そのうえ、各法律や制度は相互に関連し合っているため、全体像を把握しながら各条文の理解を深めなければなりません。
条文の文言を表面だけ捉えていても試験問題に対応することは難しく、各法律の趣旨や目的まで理解したうえで複合的な知識を使いこなせるレベルが求められます。
そのため、社労士試験の学習内容は、法律初学者にとって非常に難解で複雑に感じるでしょう。
出題数が多いのに試験時間が短い
社労士試験は選択式と択一式の2つの出題形式があり、午前と午後に分けられています。試験時間はそれぞれ次のとおりです。
出題形式 | 試験時間 |
---|---|
選択式 | 10:30〜11:50(80分) ※着席は10:00 |
択一式 | 13:20〜16:50(210分) ※着席は12:50 |
※開場は9:30から
特に、択一式の試験では複数のテーマについて記述解答する必要があり、高度な読解力・思考力・記述力が必要です。試験時間は限られているため、時間配分を意識しながら迅速かつ正確に解答する必要があります。
問題の難易度が高いだけでなく、試験時間が短いことも受験生にとって大きなプレッシャーとなります
各科目で足切り(合格基準点)があり苦手科目を作れない
社労士試験には、各科目ごとに足切り点(合格基準点)が設けられています。特定の科目で極端に点数が低い場合、総合得点が合格点に達していても不合格となるため苦手科目を作れません。
社労士試験の合格基準は次のとおりです。(令和6年度)
- 選択式:25点/45点中
※必要最低点数:労働に関する一般常識は2点以上、ほかは3点以上 - 択一式:44点/75点中
※必要最低点数:各科目4点以上
仮に労働基準法が得意でも健康保険法が苦手という場合、健康保険法を重点的に学習する必要があるなど、受験生は苦手科目を作らないよう、すべての科目をバランスよく学習しなければなりません。
全科目を高いレベルで習得する必要があるため、社労士試験の難易度は高いと言えます。
社労士試験の合格基準や合格ラインについて、次の記事で詳しく解説しているのでぜひあわせてご覧ください。

科目合格の制度がない
社労士試験には、一度合格した科目は次回の試験で免除されるといった科目合格制度がありません。
もし試験に不合格となった場合、次回受験する際はまた全ての科目を受験する必要があります。
毎年全科目を満遍なく受験する必要があるため、受験生は常にモチベーションを維持しながら学習に取り組まなければなりません。
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社労士試験とはどんな試験なの?
社労士試験は国家資格のひとつで、労働法や社会保険に関する幅広い知識が問われます。
試験は年に1回行われ、合格して登録を終えると、社会保険労務士として企業や個人事業主の労務管理や社会保険に関する業務を行うことができます。
社労士試験の概要!試験日・スケジュール・科目・配点
社労士試験は例年8月の第4日曜日に行われます。試験スケジュールや科目などの試験概要は次のとおりです。
【スケジュール】
項目 | 概要 |
---|---|
申し込み方法 | インターネット申込、郵送申込 |
申し込み期間 | 4月15日〜5月31日 消印有効 |
試験日 | 8月の第4日曜日 ※令和7年は8月25日(日) |
合格発表 | 10月上旬 ※令和7年は10月2日(水) |
出典:社会保険労務士試験のご案内|社会保険労務士試験オフィシャルサイト
【科目と配点】
項目 | 選択式の配点 | 択一式の配点 |
---|---|---|
労働基準法 | 1問(5点) | 10問(10点) |
労働安全衛生法 | ||
労働者災害補償保険法 | 1問(5点) | 7問(7点) |
雇用保険法 | 1問(5点) | 7問(7点) |
労働保険の保険料の徴収等に関する法律 | – | 6問(6点) |
労務管理その他の労働に関する一般常識 | 1問(5点) | 10問(10点) |
社会保険に関する一般常識 | 1問(5点) | |
健康保険法 | 1問(5点) | 10問(10点) |
厚生年金保険法 | 1問(5点) | 10問(10点) |
国民年金法 | 1問(5点) | 10問(10点) |
合計 | 8問(40点) | 70問(70点) |
配点は選択式試験が1問5点の計8問40点、択一式試験が1問1点の計70問70点です。合格基準は総合得点が一定以上であり、かつ各科目で足切り点をクリアする必要があります。
社労士試験の詳細について以下の記事で解説しているのでぜひあわせてご覧ください。

社労士の試験には受験資格が必要
社労士試験を受験するには受験資格があり、以下いずれかの要件を満たす必要があります。
- 大学、短期大学、高等専門学校(5年制)を卒業している
- 労務関係の実務経験が通算3年以上ある
- 国家資格(行政書士など)を有している
大学卒業者や通算3年以上の実務経験がある人、国家資格を取得している人は社労士試験を受験することが可能です。
上記の資格を持っていない人は、実務経験を積んで要件を満たすのがおすすめです。
労務関係の仕事に就けば、働きながら知識を身につけることができるほか、合格後に社労士として登録するための要件(通算2年以上の実務経験)も同時に満たすことができます。
社労士試験は独学でも合格できる?
社労士試験は独学でも合格可能ですが難易度は非常に高いです。
独学で合格するためには計画的な学習を行うほか、モチベーションを維持したり過去問を徹底的に分析したりなど、高度な自己管理能力が必要となります。疑問点をすぐに質問できる環境がないため自己解決能力も必要です。
しかし、独学での合格はあまり現実的ではありません。社労士試験の受験者の多くは社労士の仕事経験者か大学卒業者と言われており、知識ゼロの状態から独学で社労士試験の合格はハードルが高いと言えます。
もしも本気で社労士を目指そうと考えている方は、通信講座や予備校の利用がおすすめです。学習費用はかかりますが、社労士試験に合格して社労士として働ければ元を取ることが十分可能です。
講座の選び方がわからないという方は、以下の記事で通信講座・予備校のカリキュラムや料金を比較解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。

社労士試験を合格するためには?難関試験突破のための勉強ポイント
苦手分野をなくす
社労士試験は足切り制度があるため、苦手分野を作らないことが非常に重要です。
苦手分野がある場合は、模試や過去問を解く中で自分の弱点を把握し、苦手科目を集中的に学習して克服する必要があります。
得意科目を伸ばすよりも、苦手科目を克服するのが難関試験を突破するポイントです。
社労士試験の勉強方法や学習スケジュールについて知りたい方は、ぜひ以下の記事もあわせてご覧ください。

基礎科目と応用科目を把握して順番に取り組む
社労士試験には基礎となる科目と応用的な科目があり、合格するためには基礎科目から順番に学習を進めることが重要です。
まず取り組むべきは「労働基準法」です。
労働基準法は労働法全体の土台となる法律であり、その趣旨を理解することで、関連する他の科目の学習がスムーズになります。
労働安全衛生法や労災保険法、雇用保険法なども労働基準法の知識があればより深く理解しやすいです。
労働科目を習得した後は社会保険科目へ進みましょう。社会保険関係の法律も相互に関連しているため適切な順序で学ぶことが効果的です。
たとえば、「健康保険法」は最も歴史のある法律であり、その基礎を押さえてから「厚生年金保険法」や「国民年金法」を学ぶと理解が深まります。
年金制度は「国民年金法」が基礎となり、その上に「厚生年金保険法」が位置づけられるため、この順番で学習を進めると体系的に整理しやすくなります。
社労士試験の勉強は、関連する科目のつながりを意識しながら基礎から応用へと段階的に取り組むことが合格への近道となるでしょう。
過去問を解きまくる
過去問は試験の出題傾向や難易度を知る上で非常に重要な教材です。
過去問を繰り返し解くことで、試験の形式に慣れるとともに自分の弱点を把握することができます。過去問を解く際はただ答えを覚えるのではなく、なぜその答えになるのかを理解することが大切です。
また、時間配分を意識しながら解く練習をすることで、本番の試験で時間切れになることを防ぐことができます。
過去問を徹底的に分析し、弱点を克服することで合格に近づけます。
通信講座・予備校を活用する
社労士試験の合格を目指すなら、通信講座・予備校を利用するのがおすすめです。特に、法律の知識がゼロの状態から独学で社労士試験に合格するのはあまり現実的ではありません。
通信講座や予備校では、経験豊富な講師が試験のポイントや効率的な学習方法を教えてくれ、さらに疑問点をすぐに質問できる環境や同じ目標を持つ仲間と交流できます。
独学では難しい情報収集やモチベーション維持をサポートしてくれるのもメリットです。通信講座や予備校には、さまざまなコースやカリキュラムがあるので、比較検討して自分にぴったりなものを選択しましょう。
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まとめ
社労士試験は難しい試験ですが、しっかりと対策をすれば合格することは十分に可能です。
試験の難易度を理解し、計画的に学習を進めることが大切です。この記事で紹介した勉強のポイントを参考にして、自分に合った学習方法を見つけ、合格を目指しましょう。
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