税理士は人気のある専門職ですが、その資格試験は非常に難易度が高いと言われています。
本記事では税理士試験の難易度や合格率を解説します。特に社会人や学生が効率よく合格を目指す方法について詳しく見ていきましょう。
税理士試験の難易度とは?ほかの資格の難易度と比較
税理士試験の科目別合格率(過去5年分)
令和元年度〜令和5年度(2019年〜2023年)までの税理士試験の科目別合格率をまとめました。
科目によって異なりますが、およそ14%〜18%の合格率となっています。
科目名 | 令和5年度 | 令和4年度 | 令和3年度 | 令和2年度 | 令和元年度 |
---|---|---|---|---|---|
簿記論 | 17.4% | 23.0% | 17.4% | 22.6% | 18.8% |
財務諸表論 | 28.1% | 14.8% | 23.9% | 19.0% | 18.0% |
所得税法 | 13.8% | 14.1% | 14.1% | 12.0% | 12.4% |
法人税法 | 14.0% | 12.3% | 12.3% | 16.1% | 14.1% |
相続税法 | 11.6% | 14.2% | 14.2% | 10.6% | 11.4% |
消費税法 | 11.9% | 11.4% | 11.9% | 12.5% | 12.0% |
酒税法 | 12.7% | 13.2% | 13.2% | 13.9% | 14.0% |
国税徴収法 | 13.9% | 13.8% | 13.8% | 12.2% | 12.1% |
住民税 | 14.7% | 17.2% | 17.2% | 18.1% | 17.0% |
事業税 | 16.4% | 14.1% | 14.1% | 13.1% | 14.0% |
固定資産税 | 17.3% | 18.4% | 18.4% | 13.5% | 13.5% |
参照:税理士試験|国税庁
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公認会計士試験と日商簿記検定試験の合格率
【公認会計士試験 短答式試験の合格率推移】
試験回 | 令和6年 | 令和5年 | 令和4年 | 令和3年 | 令和2年 |
---|---|---|---|---|---|
第Ⅰ回 | 10.8% | 10.4% | 12.1% | 21.6% | 15.7% |
第Ⅱ回 | — | 8.8% | 7.9% | 実施なし | 12.9% |
※令和3年(2021年)は、新型コロナウイルスの影響により第Ⅱ回試験が実施されませんでした。
【日商簿記検定 1級の合格率推移】
回次 | 第167回 | 第165回 | 第164回 | 第162回 | 第161回 |
---|---|---|---|---|---|
合格率 | 10.5% | 16.8% | 12.5% | 10.4% | 10.1% |
USCPA(米国公認会計士)の合格率は?
USCPAは、米国公認会計士の資格であり、税理士試験と同様に高度な知識と実務経験が求められます。試験はすべて英語ですが、日本でも受験することはできます。
USCPAの科目別合格率は次のとおりです。
- AUD(監査及び証明業務):46.53%
- FAR(財務会計):40.59%
- REG(法規および税務):63.26%
- BAR(ビジネス分析):40.59%
- ISC(情報システムとコントロール):59.14%
- TCP(税務コンプライアンス):75.42%
※2024年の合格率
参照:Learn more about CPA Exam scoring and pass rates|AICPA & CIMA
USCPAと比較すると、税理士試験は難易度が高いです。
税理士試験は難しい?合格率は高くなっている
税理士試験の合格率はおよそ14%〜18%です。
しかし、公認会計士試験は合格率が10%以下になることもあり、日商簿記検定試験1級は合格率約10%前後であることを考慮すると比較的高いと言えます。
特に税理士試験の会計科目は合格率が高くなっている傾向にあり、合格しやすい状況です。
また、税理士試験はほかの資格試験とは違い1科目ずつ受験できるのが特徴です。1科目合格すれば、それはずっと有効となります。
税理士試験は5科目合格で資格取得できるため、1年に1科目合格するペースであれば5年で資格取得を目指せます。
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税理士試験の難易度を分析
税理士試験の年齢別・学歴別の合格率を分析
税理士試験の合格率は年齢や学歴によって大きく異なります。
一般的に、若い年齢層や大学卒の合格率が高い傾向が見られます。しかし、年齢や学歴が合格を左右する決定的な要素ではありません。
重要なのは、試験合格に必要な知識・技能をしっかりと習得し試験に臨む準備を万端にしておくことです。
また、以下の記事では税理士試験に合格する人の共通点についても解説しているのであわせてご覧ください。

税理士資格を取るための勉強時間
税理士試験に合格するためには膨大な時間と労力を要する覚悟が必要です。
合格までに必要な勉強時間は、個人の能力や学習方法によって大きく異なりますが、科目ごとに必要な勉強時間の目安は以下のとおりです。
- 簿記論:400~500時間
- 財務諸表論:400~500時間
- 所得税法:600~700時間
- 法人税法:600~700時間
- 相続税法:400~500時間
- 消費税法:300時間
- 酒税法:150時間
- 国税徴収法:150時間
- 住民税:200時間
- 事業税:200時間
- 固定資産税:250時間
短期間で合格を目指す場合は、より多くの時間と集中力を要することになります。
税理士試験は独学で合格できる?独学で挑む方法
税理士試験は独学でも合格することが不可能ではありません。
ここからは、独学のメリット・デメリットや役立つ情報を紹介します。
独学のメリットとデメリット
独学のメリットとしては、自分のペースで学習を進められること、費用を抑えられることなどが挙げられます。
一方で、独学はモチベーション維持が難しく、学習方法が間違っている可能性があるほか、質問できる相手がいないなどのデメリットも存在します。
独学合格に必要なもの
税理士試験の独学にはさまざまな教材が役立ちます。
主に市販のテキストや問題集、過去問などが独学に必要なものです。オンライン学習サービスを利用するのも選択肢のひとつです。
また、教材を選ぶ際には自分の学習スタイルやレベルに合ったものを選びましょう。
勉強時間の管理方法
独学で税理士試験に合格するためには、効果的な勉強時間の管理が不可欠です。
目標とする合格時期を決め、逆算して学習計画を立て、スケジュール通りに学習を進めることが重要です。
また、集中力を高めるための工夫や休憩時間の確保なども意識しましょう。
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社会人が税理士資格を取得するための戦略
仕事と勉強を両立するポイント
社会人が税理士試験に合格するためには、仕事と勉強の両立が大きな課題となります。
効率的な時間管理をして学習方法の工夫し、周囲の理解と協力などが重要です。仕事と勉強のバランスを保ちながら無理なく学習を進めましょう。
学習環境も重要視する
集中しやすい学習環境を整えることも、社会人にとって重要な要素です。
自宅や図書館など静かで集中しやすい場所を選び、学習に必要な机や椅子、照明などを揃えましょう。
また、スマートフォンやテレビなどの誘惑を断ち切る工夫も必要です。
モチベーションを維持するコツ
長期間にわたる税理士試験の学習では、モチベーション維持が大きな課題となります。
目標を常に意識し、学習の進捗状況を可視化することでモチベーションを維持することができます。
また、学習仲間を見つける、合格体験談を読む、資格取得後の将来像を具体的にイメージするなども効果的です。
税理士試験の難易度を踏まえた学習スケジュール
税理士試験は難易度が高く、合格までに長期間の学習が必要となります。
そのため、試験合格に向けた効果的な学習スケジュールを立てることが重要です。
まずは目標とする合格時期を決め、逆算して学習計画を立てます。その後、学習内容を科目別に細分化し、各科目の学習時間配分を決定します。
学習では定期的な復習や過去問演習を計画に組み込み、試験本番に備えましょう。
また、以下の記事では税理士試験の通信講座・予備校の比較、学習スケジュールについて解説しているのでぜひあわせてご覧ください。

税理士資格を取得した後のキャリアパス
税理士資格を取得することで、会計事務所や企業の経理部門、税務関連のコンサルタントなど、幅広い分野で活躍することができます。
また、独立開業して自身の事務所を開設することも可能です。
税理士資格は高い専門性と信頼性を証明する資格であり、将来のキャリアパスにおいて大きなアドバンテージとなります。

まとめ
税理士試験は高い専門知識と実務経験が求められる国家資格です。
合格するためには膨大な時間と労力を要する覚悟が必要です。独学でも合格は可能ですが、学習方法や教材選び、モチベーション維持など克服すべき課題は多く存在します。
しかし、資格取得すれば安定的に仕事や収入を得られるほか、独立開業して高収入を目指すことが可能です。将来のキャリアパスにおいて大きなアドバンテージとなりますので、ぜひ税理士の資格取得を目指しましょう。
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