「2026年度の税制改正で、所得税がかからない年収が178万円になったって本当?」
「インボイスの2割特例が終わったあとは3割になるって本当? ほかに何が変わったの?」
2026年(令和8年)度の税制改正は、2025年(令和7年)12月26日に閣議決定された「令和8年度税制改正の大綱」をもとに、2026年3月に改正法が成立しました。基礎控除の引上げから、住宅ローン控除、こどもNISA、インボイス、法人の設備投資、防衛財源まで、改正項目は多岐にわたります。
結論を先にお伝えすると、会社員・個人事業主にとっての最大のポイントは「基礎控除・給与所得控除の引上げ」、事業者にとっては「インボイスの経過措置の見直し」と「法人向け税制の組み替え」、そして2027年分からは「防衛特別所得税」が始まるという3点です。
この記事は、2026年度税制改正の全体像をつかむための「総まとめ」です。改正項目を「誰に関係するか」で一覧にし、分野ごとのポイントと適用時期を整理したうえで、各テーマの詳しい解説記事へご案内します。
この記事でわかること
- 2026年度税制改正の項目を「誰に関係するか」で整理した一覧
- 個人所得課税・資産課税・法人課税・消費課税・防衛財源・その他の主な改正内容
- 主な改正がいつから適用されるかのタイムライン
- 経営者・個人事業主がいまやっておくこと
まず全体像:改正項目を「誰に関係するか」で整理

まずは「自分に関係があるのはどれか」がわかるよう、主な改正項目を対象者別に一覧にしました。
| 誰に関係する? | 主な改正内容 | いつから | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|
| 会社員・パートなど 給与をもらう人 | 基礎控除 58万→62万円(特例で最大104万円) 給与所得控除の最低保障額 65万→69万円(220万円以下は74万円) | 2026年分〜 | 記事を読む |
| 配偶者・扶養家族のいる人 学生・ひとり親 | 扶養親族等の所得要件 58万→62万円 勤労学生 85万→89万円、ひとり親控除 35万→38万円 | 2026年分〜 (ひとり親控除は2027年分〜) | 記事を読む |
| 住宅を購入・新築する人 | 住宅ローン控除を2030年入居分まで5年延長 中古住宅の借入限度額・控除期間を拡充 | 2026年入居〜 | 記事を読む |
| 子育て世帯 | こどもNISA:0〜17歳もつみたて投資枠(年60万円) | 2027年以後 | 記事を読む |
| 所得が極めて高い人 | ミニマムタックス:特別控除額 3億3,000万→1億6,500万円、税率 22.5%→30% | 2027年分〜 | 記事を読む |
| 所得税を納めるすべての人 法人 | 防衛特別所得税(仮称)1%を創設、復興特別所得税 2.1%→1.1% 防衛特別法人税(令和7年度改正で創設済み) | 2027年分〜 (法人は2026年4月以後開始事業年度〜) | 記事を読む |
| インボイス登録した 個人事業者・仕入れ側の事業者 | 3割納税(個人事業者のみ) 免税事業者等からの仕入れの経過措置を延長 | 2026年10月〜 | 記事を読む |
| 法人(設備投資・研究開発・賃上げ) | 特定生産性向上設備等投資促進税制の創設、研究開発税制・賃上げ促進税制の見直し、少額減価償却資産 40万円未満へ | 項目により異なる | 記事を読む |
| 個人事業主・暗号資産の取引をする人 車を持つ人・旅行する人など | 青色申告特別控除の見直し、暗号資産の申告分離課税、教育資金贈与の終了、自動車税制、国際観光旅客税ほか | 項目により異なる | 記事を読む |
出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」、財務省パンフレット「令和8年度税制改正」をもとに作成。
金額の見直しが多い改正のため、主なものをグラフでも確認しておきましょう。

このあとは、個人所得課税・法人課税・消費課税・防衛財源・資産課税その他の順に、ポイントを見ていきます。
個人所得課税:基礎控除の引上げと「178万円」が中心
| 項目 | 改正の内容 | いつから |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 58万→62万円(特例で最大104万円) | 2026年分〜 |
| 給与所得控除の最低保障額 | 65万→69万円(給与収入220万円以下は74万円) | 2026年分〜 |
| 扶養親族等の所得要件 | 58万→62万円以下(勤労学生は89万円以下) | 2026年分〜 |
| ひとり親控除(所得税) | 35万→38万円 | 2027年分〜 |
| 住宅ローン控除 | 2030年入居分まで5年延長・中古住宅を拡充 | 2026年入居〜 |
| こどもNISA | 0〜17歳もつみたて投資枠(年60万円) | 2027年以後 |
| ミニマムタックス | 特別控除額1億6,500万円・税率30%に強化 | 2027年分〜 |
| 暗号資産 | 20%の申告分離課税 | 改正法の施行日が属する年の翌年〜 |
出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」個人所得課税をもとに作成。
多くの人に影響する「控除の引上げ」と、特定の人を対象にした見直しがあります。
基礎控除・給与所得控除の引上げ(178万円)
基礎控除(誰でも差し引ける控除)の本則は、合計所得金額2,350万円以下の人について58万円から62万円に引き上げられます(2026年分以後)。さらに2026・2027年分は上乗せ特例により、合計所得489万円以下(給与収入665万円相当以下)の人の基礎控除は104万円になります。
給与所得控除(給与をもらう人の必要経費にあたる控除)も、最低保障額が65万円から69万円に上がり、2026・2027年分は給与収入220万円以下の人は74万円になります。この結果、給与収入だけの人の所得税の課税最低限は、104万円+74万円=178万円となります。
なお、2028年分以後は上乗せ特例が「合計所得132万円以下に37万円」のみとなるなど、2026・2027年分とは内容が変わります。源泉徴収税額表の改正は2027年1月以後の支払分からで、2026年分は年末調整で対応します。
- 「178万円」は給与収入だけの人の所得税の目安。住民税や社会保険の扶養の基準とは別の話です
- 2026・2027年分の特例と、2028年分以後の金額は異なります。2年後の数字もあわせて確認を
- 2026年分は年末調整で精算し、源泉徴収税額表は2027年1月支払分から切り替わります
▶ あわせて読みたい:基礎控除・給与所得控除の引上げと「178万円」— 手取りはどう変わる?
扶養の所得要件62万円・ひとり親控除の拡充
基礎控除の引上げにあわせて、配偶者や扶養親族の合計所得要件が58万円以下から62万円以下に、勤労学生の要件が85万円以下から89万円以下に見直されます(所得税は2026年分以後、住民税は2027年度分以後)。配偶者特別控除や特定親族特別控除の対象範囲の下限も62万円超に変わります。
ひとり親控除は、所得税が35万円から38万円(2027年分以後)、住民税が30万円から33万円(2028年度分以後)に引き上げられます。
▶ 詳しくは:扶養の所得要件62万円へ/配偶者特別控除・ひとり親控除などの拡充
住宅ローン控除は5年延長・中古住宅を拡充
住宅ローン控除(住宅ローン残高の0.7%を所得税などから差し引く制度)は、2030年(令和12年)12月31日までの入居分まで5年延長されます。中古住宅は、認定住宅等の借入限度額が3,000万円から3,500万円(子育て世帯等は4,500万円)に、控除期間が10年から13年に拡充されます。
床面積40㎡以上50㎡未満の中古住宅も対象になる(合計所得1,000万円以下の人に限る)一方、2028年以後に入居する新築住宅で災害危険区域(いわゆるレッドゾーン)内のものは、原則として対象外になります。
▶ 詳しくは:住宅ローン控除の5年延長と拡充
こどもNISA(つみたて投資枠が0〜17歳に)
NISAの口座開設年齢の下限が撤廃され、0〜17歳の子どももつみたて投資枠を使えるようになります。年間の投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円で、2027年以後に始まります。原則として、その年の3月31日に18歳である年の前年12月31日までは払出しができないなど、成人向けのNISAとは異なるルールがあります。
▶ 詳しくは:「こどもNISA」— つみたて投資枠が0〜17歳に
極めて高い所得の人への負担の適正化(ミニマムタックス)
所得が極めて高い人の税負担を適正化する制度(いわゆるミニマムタックス)が強化されます。2027年分以後、特別控除額が3億3,000万円から1億6,500万円に引き下げられ、税率が22.5%から30%に引き上げられます。「(基準所得金額−特別控除額)×税率」が通常の所得税額を上回る場合に、その差額を追加で納める仕組みです。
▶ 詳しくは:超高所得者の負担強化(いわゆるミニマムタックス)
暗号資産の申告分離課税・青色申告特別控除の見直し
暗号資産交換業者等を通じた特定暗号資産の譲渡などによる所得は、20%(所得税15%・住民税5%)の申告分離課税になります。開始は、金融商品取引法等の改正法の施行日が属する年の翌年1月1日以後です。損失は翌年以後3年間の繰越控除ができますが、ほかの所得との損益通算はできません。
個人事業主に関係の深い青色申告特別控除も、2027年分以後、e-Taxでの提出や帳簿の電子保存の状況に応じて控除額が変わります(65万円控除の要件を満たし、さらに仕訳帳・総勘定元帳を電子保存すれば75万円など)。
▶ 詳しくは:暗号資産・青色申告特別控除・教育資金贈与・自動車税制ほか
法人課税:設備投資・研究開発を後押しし、賃上げ税制は中小企業向けに
| 制度 | 主な改正の内容 |
|---|---|
| 特定生産性向上設備等投資促進税制(創設) | 即時償却または税額控除7%(建物・附属設備・構築物は4%)。投資額35億円以上(中小企業者等は5億円以上)など |
| 研究開発税制 | 「戦略技術領域型」を創設。控除率40%(認定研究機関との共同・委託は50%) |
| 賃上げ促進税制 | 大企業向けは2026年3月31日で廃止、中堅企業向けは2027年3月31日で廃止。中小企業向けは維持(教育訓練費の上乗せは廃止) |
| 少額減価償却資産の特例 | 30万円未満→40万円未満、期限を3年延長。常時使用する従業員400人超の法人は対象外 |
| 中小法人の軽減税率・交際費課税 | 今回は改正なし |
出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」法人課税をもとに作成。
法人税の改正は、大規模な設備投資や戦略分野の研究開発を後押しする一方、賃上げ促進税制は大企業向け・中堅企業向けを廃止し、中小企業向けを維持する形に組み替えられています。
特定生産性向上設備等投資促進税制の創設
青色申告法人が、2029年(令和11年)3月31日までに経済産業大臣の確認を受け、確認日から5年以内に一定の設備を取得した場合に、即時償却または税額控除(7%、建物・附属設備・構築物は4%)を選べる制度が創設されます。投資額35億円以上(中小企業者等は5億円以上)、年平均の投資利益率15%以上などの要件があり、全業種が対象です。
研究開発税制・賃上げ促進税制の見直し
研究開発税制には、AI・先端ロボット、量子、半導体・通信、バイオ・ヘルスケア、フュージョンエネルギー、宇宙の分野を対象にした「戦略技術領域型」が創設され、控除率は40%(認定研究機関との共同・委託は50%)です。
賃上げ促進税制は、大企業向け(全法人向け)が2026年3月31日で廃止、中堅企業向けは2027年3月31日の期限到来で廃止されます。中小企業向けは現行の内容(給与総額1.5%増で15%、2.5%増で30%の税額控除、5年繰越)が維持されますが、教育訓練費の上乗せは廃止されます。
少額減価償却資産の特例は40万円未満に
中小企業者等が取得した少額の資産を一括で経費にできる特例は、対象が30万円未満から40万円未満に引き上げられ、適用期限が3年延長されます。一方、常時使用する従業員が400人を超える法人は対象外になります。延長後の具体的な期限や年間の合計額の扱いは、今後公表される政省令等で確認が必要です。
なお、中小法人の軽減税率(年800万円以下の所得に15%)や交際費課税は、今回は改正されていません。
- 身近なのは、少額減価償却資産の特例(40万円未満)と中小企業向けの賃上げ促進税制
- 賃上げ促進税制は給与総額の増加率(1.5%・2.5%)がカギ。月次で人件費の推移を把握しておくと判断しやすくなります
- 大型の設備投資向けの税制は要件が厳しいため、計画の段階で税額への影響を試算しておきましょう
▶ あわせて読みたい:法人向け:設備投資促進税制・研究開発税制・賃上げ税制・少額減価償却40万円
消費課税:インボイスの「3割納税」と経過措置の延長
インボイス・消費税の主な節目
消費税では、インボイス制度の導入にともなう負担軽減措置が見直されます。インボイス登録をした個人事業者と、免税事業者から仕入れをしている事業者の双方に関係します。
2割特例の後に「3割納税」を新設(個人事業者のみ)
2割特例は2026年9月30日を含む課税期間までの措置です。その後の激変緩和として、免税事業者からインボイス登録したことなどで課税事業者になった個人事業者は、2027年・2028年を含む課税期間について、納付税額を売上税額の3割とできる措置が設けられます。法人は対象外です。
免税事業者等からの仕入れの経過措置を延長
インボイスのない免税事業者等からの仕入れについて、仕入税額控除できる割合の経過措置が、段階的に縮小しながら延長されます。

また、2026年10月1日以後に開始する課税期間からは、一の免税事業者等からの課税仕入れの合計が年1億円(現行10億円)を超える部分は、経過措置の対象外になります。
- 2割特例を使ってきた個人事業者は、3割納税・簡易課税・一般課税のどれが有利かを試算する
- 3割納税は個人事業者のみ。法人は対象外です
- 免税事業者からの仕入れが多い事業者は、2026年10月以後の控除割合(70%)と年1億円の上限を確認する
少額輸入貨物・プラットフォーム課税
1万円以下の少額輸入貨物への消費税の課税(2028年4月1日以後、登録申請は2027年10月1日から)や、一定規模以上(50億円超)のプラットフォーム事業者を通じた物品販売への課税(2028年4月1日から)も導入されます。
▶ 詳しくは:インボイス:2割特例後の「3割納税」と経過措置の延長
防衛財源:防衛特別所得税の創設と復興特別所得税の見直し

防衛力強化のための財源確保として、所得税に上乗せする「防衛特別所得税(仮称)」が創設されます。2027年分以後、当分の間、基準所得税額の1%が課されます。給与などの源泉徴収でもあわせて徴収されます。
同時に、復興特別所得税の税率が2.1%から1.1%に引き下げられ、合計は2.1%で現行と同じ水準になります。ただし、復興特別所得税の課税期間は2037年(令和19年)までから2047年(令和29年)までへと10年延長されます。

法人については、令和7年度改正で創設済みの防衛特別法人税が、2026年4月1日以後に開始する事業年度から適用されています。「(基準法人税額−年500万円)×4%」で計算し、申告期限は法人税と同じです。

▶ あわせて読みたい:防衛特別所得税の創設と復興特別所得税の見直し(+防衛特別法人税)
資産課税・その他:教育資金贈与の終了、自動車税制、国際観光旅客税など

資産課税:教育資金の一括贈与の非課税は新規終了
相続税・贈与税などの資産課税では、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置が延長されず、2026年3月31日で新規の適用が終了しました。祖父母などから孫へ教育資金をまとめて贈与する際に使われてきた制度です。
同日までに拠出された分については、従前どおりの取扱いが続きます。これから子や孫への資金援助を考える場合は、教育費をその都度支払う方法やこどもNISAの活用など、ほかの選択肢もあわせて検討するとよいでしょう。
その他の主な改正
暮らしや事業に身近な、その他の主な改正は次のとおりです。
- 自動車税制:自動車税・軽自動車税の環境性能割は2026年3月31日で廃止。エコカー減税(自動車重量税)は燃費基準の達成度を引き上げたうえで2028年4月30日まで2年延長(2026年5月1日以後の車検証交付分から)
- 燃料課税:軽油引取税の当分の間税率は2026年4月1日に廃止。ガソリン税(揮発油税等)の当分の間税率も与野党6党の合意にもとづき廃止
- 国際観光旅客税:出国1回あたり1,000円から3,000円に引上げ(2026年7月1日以後の出国から)
- 給与と公的年金の両方がある人:給与所得控除と公的年金等控除の合計が280万円を超える場合、超える部分を公的年金等控除から減額(2027年分以後)
- 食事の支給:役員・従業員への食事支給の非課税限度が月3,500円から7,500円に(適用時期は今後の政省令等で確認が必要)
- ふるさと納税:住民税の特例控除額に上限を設ける(2028年度分以後。上限額は今後の公表を確認)
- セルフメディケーション税制:スイッチOTC医薬品は期限を撤廃、その他は5年延長(2027年分以後)
▶ 詳しくは:暗号資産・青色申告特別控除・教育資金贈与・自動車税制ほか
主な改正の適用開始時期タイムライン

適用開始の時期を時系列で整理しました。2026年10月(インボイスの経過措置)と2027年(防衛特別所得税の開始・源泉徴収税額表の改正)は、事業者の実務に直接関わる節目です。
| 時期 | 主な改正内容 |
|---|---|
| 2026年3月31日 | 教育資金の一括贈与の非課税が新規終了/環境性能割の廃止/賃上げ促進税制(大企業向け)の廃止 |
| 2026年4月1日 | 軽油引取税の当分の間税率の廃止/防衛特別法人税(同日以後開始の事業年度から) |
| 2026年5月1日 | エコカー減税の見直し(車検証交付分から) |
| 2026年7月1日 | 国際観光旅客税 3,000円(出国分から) |
| 2026年分 (令和8年分) | 基礎控除62万円(特例で最大104万円)、給与所得控除の最低保障額69万円(特例74万円)、扶養親族等の所得要件62万円/住宅ローン控除(2026年入居分から) |
| 2026年10月1日 | 免税事業者等からの仕入れの経過措置 80%→70%/年1億円の上限(同日以後開始の課税期間から) |
| 2027年1月1日 | 改正後の源泉徴収税額表(支払分から) |
| 2027年分 (令和9年分) | 防衛特別所得税1%・復興特別所得税1.1%/ミニマムタックス強化/青色申告特別控除の見直し/ひとり親控除38万円/こどもNISA開始(2027年以後)/3割納税(2027・2028年を含む課税期間) |
| 2027年3月31日 | 賃上げ促進税制(中堅企業向け)の期限到来・廃止 |
| 2028年分 (令和10年分) | 基礎控除の上乗せ特例が「合計所得132万円以下に37万円」のみに |
| 2028年4月1日 | 少額輸入貨物への消費税課税/プラットフォーム課税 |
| 2028年10月1日 | 経過措置 70%→50% |
| 2029年3月31日 | 特定生産性向上設備等投資促進税制の確認期限 |
| 2030年10月1日 | 経過措置 50%→30%(2031年9月30日まで。以後は適用終了) |
| 2030年12月31日 | 住宅ローン控除の対象となる入居期限 |
出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」をもとに作成。暗号資産の申告分離課税は、金融商品取引法等の改正法の施行日が属する年の翌年1月1日以後に開始。
タイムラインを見ると、2026年10月から2028年4月にかけて、事業者の実務に関わる節目が続くことがわかります。年末調整や消費税の申告の時期が来てから慌てないよう、自社に関係する時期をカレンダーに書き込んでおくのがおすすめです。
経営者・個人事業主がいまやっておくこと

自社や自分の事業への影響を早めに確認しておくことが大切です。次のチェックリストをご活用ください。
従業員を雇っている事業者
- 2026年分の年末調整が改正後の基礎控除・給与所得控除に対応できるよう、給与計算ソフトの対応状況を確認する
- 2027年からの源泉徴収に向けて、改正後の源泉徴収税額表(1月支払分から)と防衛特別所得税に対応できるよう準備する
- パート・アルバイトの方に、扶養の所得要件(62万円以下)や「178万円」の意味を正しく伝える
インボイスに関係する事業者
- 2割特例を使っている個人事業者は、2027年以後に3割納税・簡易課税・一般課税のどれが有利かを試算する
- 免税事業者からの仕入れが多い事業者は、2026年10月以後の経過措置の割合(70%)と年1億円の上限を確認する
- 取引先の登録状況を見直し、今後の価格交渉や取引条件を検討する
設備投資・賃上げを考えている法人
- 設備投資の予定がある場合は、少額減価償却資産(40万円未満)や各種投資促進税制の要件・期限を確認する
- 賃上げ促進税制は、自社が中小企業向けの対象になるかを確認し、給与総額の増加率を月次で把握する
いずれの項目も、月次の数字が正しく締まっていることが前提になります。個別の判断は事業の状況によって変わるため、迷ったときは税理士などの専門家にご相談ください。
- 直近の試算表(月次の損益・給与総額がわかるもの)
- 消費税の課税方式(2割特例・簡易課税・一般課税)と、届出の状況
- 年内に予定している設備投資や、従業員の採用・昇給の予定

まとめ:自分に関係する改正から順に確認を

- 基礎控除は62万円(2026・2027年分は最大104万円)、給与所得控除の最低保障額は69万円に。給与収入のみの人の課税最低限は178万円
- 扶養の所得要件は62万円に。住宅ローン控除は2030年入居分まで延長し、中古住宅を拡充
- こどもNISAは2027年以後に開始。ミニマムタックスは2027年分から強化
- 資産課税では、教育資金の一括贈与の非課税が2026年3月31日で新規終了
- 法人は大型設備投資・戦略分野の研究開発を後押し。賃上げ促進税制は中小企業向けを維持、少額減価償却資産は40万円未満に
- インボイスは3割納税(個人事業者のみ)と経過措置の延長。2026年10月から70%に
- 2027年分から防衛特別所得税1%+復興特別所得税1.1%(合計2.1%は変わらず)
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参考資料:財務省「令和8年度税制改正の大綱」(令和7年12月26日閣議決定)/財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」/大綱 個人所得課税/大綱 法人課税/大綱 消費課税/大綱 防衛力強化に係る財源確保のための税制措置/財務省「令和8年度 税制改正の解説」/財務省パンフレット「令和8年度税制改正」

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野村税理士事務所代表 野村真一
税理士業界23年、野村税理士事務所代表でfreee認定アドバイザー。日本税理士会連合会、九州北部税理士会所属。認定経営革新等支援機関の認定事業者として事業再構築補助金の申請支援を行う。
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