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資金繰り

資金繰り
目次

資金繰りとは

資金繰りとは、企業が日々の経営活動において、入金と出金のタイミングを調整し、円滑な運営を維持するために行う資金管理のことを指します。資金繰りがうまくいかないと、短期的な現金不足により経営が破綻するリスクがあります。

資金繰りのため運転資金として銀行借入が通常検討されますが、一時的に悪化した場合は、売掛債権活用の手段としてファクタリングが利用されることもあります。

資金繰りをスムーズに行うポイント

資金繰りをスムーズに行うためには以下のポイントに注意しましょう。

  1. 予算策定と計画
    事業計画に基づいた予算を策定し、売上や経費の計画を立てることで、将来の資金繰りを見通しやすくします。また、資金繰り計画を定期的に見直し、適切な調整を行いましょう。
  2. 売掛金の回収
    売掛金の回収を適切に行うことで、現金収入を確保し、資金繰りをスムーズにすることができます。請求書の発行や督促のタイミングを適切に管理しましょう。
  3. 買掛金の支払い管理
    買掛金の支払いを適切に管理することで、資金繰りを最適化できます。支払い期限や支払い条件を把握し、適切なタイミングで支払いを行いましょう。
  4. 在庫管理
    在庫を適切に管理することで、資金が在庫に縛られることを防ぎ、資金繰りをスムーズにします。適切な在庫水準を維持し、在庫の購入や廃棄を適切に管理しましょう。
  5. 短期資金の確保
    短期的な資金不足に備え、銀行や金融機関との良好な関係を築き、短期資金を確保しましょう。必要に応じて、融資やファクタリングなどの手段を利用して資金調達を行いましょう。
  6. 長期資金の計画
    長期的な資金繰りを確保するために、事業の成長戦略や投資計画に合わせた資金計画を立てましょう。

資金繰り表について

資金繰り表とは、企業が一定期間における現金の収支を予測・管理するための財務ツールです。資金繰り表を作成・分析することで、現金の流れを把握し、資金不足や過剰資金の発生を予防できます。資金繰り表は通常、月次または週次で作成され、企業の規模や業種によって内容が異なります。

資金繰り表には主に以下の3つの要素が含まれます。

  1. 現金収入
    売上やサービスの提供によって得られる現金、借入金、投資家からの資金調達など、企業が一定期間内に受け取る現金を示します。
  2. 現金支出
    原材料や商品の購入、人件費、光熱費、広告費、リース料など、企業が一定期間内に支払う現金を示します。
  3. 現金残高
    現金収入と現金支出の差額を計算し、期間末の現金残高を算出します。現金残高が適切な水準にあるかどうかをチェックすることで、資金繰りの状況を把握できます。

資金繰り表を作成・活用する際のポイントは以下の通りです。

  • 現金収支の予測を正確に行うことで、資金不足のリスクを事前に察知し、対策を講じることができます。
  • 現金の流れを把握することで、資金繰りが悪化する原因を特定し、適切な対策を立てることができます。
  • 資金繰り表を定期的に更新し、状況に応じた適切な対策を実施することが重要です。

資金繰り表は、経営者や経営陣が現金管理を効果的に行い、企業の財務状況を改善するための重要なツールです。適切な資金繰り管理を行うことで、企業の成長や安定経営につながります。

資金繰り表の作成方法

資金繰り表を作成する際には以下の手順に従って、現金収支や現金残高を予測・管理します。

  1. 期間の設定
    資金繰り表を作成する期間を決めます。通常、月次または週次で作成されますが、企業の規模や業種によって適切な期間を設定しましょう。
  2. 現金収入の予測
    期間内に発生する現金収入を予測します。主な現金収入には、売上金、借入金、投資家からの資金調達、資産売却などがあります。売上予測には過去のデータや市場状況を参考にし、現金収入をできるだけ正確に予測しましょう。
  3. 現金支出の予測
    期間内に発生する現金支出を予測します。主な現金支出には、原材料や商品の購入、人件費、光熱費、広告費、リース料、借入金の返済などがあります。過去のデータや予算をもとに、現金支出を予測しましょう。
  4. 現金残高の計算
    現金収入と現金支出の差額を計算し、期間末の現金残高を算出します。現金残高が適切な水準にあるかどうかをチェックし、資金繰りの状況を把握しましょう。
  5. 資金繰り表の作成
    現金収入、現金支出、現金残高を表形式にまとめて資金繰り表を作成します。資金繰り表は、期間ごとに現金収支の状況を一覧できるようにすることが重要です。
  6. 定期的な更新と分析
    資金繰り表を定期的に更新し、現金収支の状況や現金残高を確認しましょう。現金繰りが悪化する原因を特定し、適切な対策を立てることができます。

資金繰り表を作成・活用することで、企業の現金管理が効果的に行われ、財務状況を改善することが期待できます。適切な資金繰り管理を行うことで、企業の成長や安定経営につながります。

資金繰り表を使った資金管理の方法

以下は、資金繰り表を活用して効果的な資金管理を行うためのポイントです。

  1. 資金繰り表を定期的に見直す
    経営状況や市場環境の変化に対応するため、資金繰り表を定期的に見直しましょう。収入や支出の予測が変わった場合、すぐに資金繰り表を更新して、現金の流れを把握しましょう。
  2. 短期的・長期的視点で資金繰りを管理する
    短期的な資金繰り管理に加え、長期的な視点で資金繰りを見ることが重要です。将来の投資計画や資金調達の必要性を考慮し、資金繰り表を作成・分析しましょう。
  3. 財務指標を活用する
    資金繰り表と他の財務報告書(損益計算書や貸借対照表)を総合的に分析し、財務指標を活用して企業の財務状況を評価しましょう。例えば、流動比率や速報性比率などの指標を使って、短期的な資金繰りの状況を把握できます。
  4. 現金の最適化
    資金繰り表を使って過剰資金や資金不足の原因を特定し、適切な対策を立てましょう。過剰資金がある場合は、投資や返済を検討し、資金不足がある場合は、資金調達やコスト削減を検討しましょう。
  5. 資金繰りリスクを管理する
    突発的な出費や売上減少など、資金繰りに影響を与えるリスク要因を特定し、リスク管理を行いましょう。リスクに備えた資金繰り表を作成することで、未然に対策を講じることができます。

資金繰り表を活用し、効果的な資金管理を行うことで、企業の財務状況を改善し、経営の安定化や成長を促進することができます。また、資金繰り表を使って、企業の財務状況を把握することで、事業計画の立案や修正が容易になり、経営判断を効率的に行うことができます。

資金繰り表を活用する効果

資金繰り表を活用することで、以下のような効果も期待できます。

  1. 信用力の向上
    資金繰り表を使って資金管理が適切に行われていることが分かれば、銀行や投資家からの信用力が向上し、資金調達が容易になります。
  2. 効果的なコスト削減
    資金繰り表を分析することで、無駄な支出やコスト削減の余地がある部分を特定できます。これにより、効果的なコスト削減を実施し、企業の利益を向上させることができます。
  3. スムーズな事業運営
    資金繰り表を使って資金の流れを把握することで、企業の現金需給がスムーズになり、事業運営を円滑に行うことができます。
  4. 経営陣や従業員の意識向上
    資金繰り表を共有し、経営陣や従業員に企業の財務状況を理解させることで、全員が資金繰り管理に取り組む意識が向上します。

資金繰り表を適切に活用し、効果的な資金管理を行うことで、企業の財務状況を改善し、経営の安定化や成長を促進することが可能です。定期的に資金繰り表を更新し、適切な対策を講じることで、企業の競争力を高めることができます。

執筆者
野村 真一

野村税理士事務所代表 野村真一

税理士業界20年、野村税理士事務所代表でfreee認定アドバイザー日本税理士会連合会九州北部税理士会所属。認定経営革新等支援機関の認定事業者として事業再構築補助金の申請支援を行う。

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