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会計事務所・税理士事務所の違いとは?税理士法人やBig4などの業務の違いも解説

会計事務所・税理士事務所の違いとは?税理士法人やBig4などの業務の違いも解説

「会計事務所と税理士事務所、名前が違うけれど仕事内容も違うの?」
「自分の会社には、税理士と公認会計士のどちらに依頼するのが正解?」

起業したばかりの方や、顧問税理士の検討を始めた経営者にとって、似たような名称が並ぶ会計事務所と税理士事務所の違いを理解するのは意外と難しいものです。

実は、一般的な税務申告の現場では「会計事務所」と「税理士事務所」の業務内容に大きな差はありません。

しかし、その背後にある「公認会計士」と「税理士」という資格の性質や、組織形態が「個人」か「法人(Big4など)」かによって、得意とする専門分野やサポートの規模、さらには依頼費用までが劇的に変わります。

この記事では、会計事務所と税理士事務所の決定的な違いから、公認会計士と税理士の役割分担、さらには大手税理士法人(Big4)の特徴までを徹底比較します。

「どちらに依頼すべきか」「どちらが儲かるのか」といった踏み込んだ疑問にもお答えしますので、自社にとって最適なパートナー選びの指針としてぜひお役立てください。

執筆者
野村 真一

野村税理士事務所代表 野村真一

税理士業界20年、野村税理士事務所代表でfreee認定アドバイザー日本税理士会連合会九州北部税理士会所属。認定経営革新等支援機関の認定事業者として事業再構築補助金の申請支援を行う。

>> 執筆者プロフィール

目次

会計事務所と税理士事務所の業務内容は同じ

会計事務所と税理士事務所は、名称は異なっても提供される基本的なサービス内容は実質的に同じです。

どちらの看板を掲げていても、顧客企業に対する税務代行や経理サポートが中心となります。

実際に街中で見かける事務所を比較してみても、日々の記帳代行や確定申告書の作成といった業務メニューに大きな差は見られません。

公認会計士が代表を務めるか、税理士が代表を務めるかという背景の差異はあっても、一般的な中小企業が求める日常的なサポートにおいて対応できる範囲は重なっています。

そのため、名称の違いにとらわれず、提供される実務の内容に着目して判断することが大切になります。

会計士と税理士ではどちらが上ですか?

会計士と税理士の優劣を単純に比較することはできず、求める専門性によって評価が分かれます。

それぞれが担当する中心的な業務や対応できる領域が根本的に異なっているためです。

公認会計士は企業の財務諸表を監査する独占業務を持ち、税理士登録を行うことで税務対応も可能になるという上位資格のような側面を持ち合わせています。

一方で、税理士は税務に特化した専門家として、中小企業の経営支援や節税対策において深い知見を発揮するケースが少なくありません。

双方の専門分野は全く別の方向を向いており、どちらの能力を必要とするかによって優位性は変わると言えます。

会計士と税理士はどちらに依頼すればいいですか?

会計士と税理士のどちらに依頼するかは、企業の成長段階や目的によって選択すべき専門家は変わります。

創業期や成長期にある中小企業で日々の経理業務や税務申告のサポートが必要な場面では、身近な相談相手となる税理士を選ぶのが一般的です。

対して、将来的に株式上場を目指したり、企業の合併や買収を検討したりする段階においては、財務諸表の信頼性を証明する監査や高度な財務コンサルティングができる公認会計士が適しています。

自社が現在置かれている状況と将来の目標を明確にした上で、最適なパートナーを選びましょう。

会計事務所と税理士事務所の違いは?

名称の違いは存在しても、顧客へ提供する日常的なサービス内容に決定的な差はありません。

日常業務における基本的な目的は、いずれも企業の会計処理や税務申告を正しく行うことです。

ただし、細かい部分で以下3点が異なります。

  • 法令上の正式名称と俗称が異なる
  • 代表者が保有している国家資格が異なる
  • 独占業務や対応できる専門分野が違う

違い①法令上の正式名称と俗称が異なる

「税理士事務所」が法律で定められた正式な名称であるのに対し、「会計事務所」は世間一般で使われる俗称という違いがあります。

税理士法という法律に基づいて事務所を設置する場合、特定の名称を使用することが義務付けられています。

税理士名簿に登録をして独立開業した専門家は、法律上、必ず税理士事務所という名称を掲げなければなりません。

一方で、会計事務所という言葉には法的な定義や縛りがなく、業務内容をわかりやすく伝えるための通称として広く社会に浸透しています。

このように、法律上の厳密な規定があるか、実態を表す呼び名として定着しているかという違いがあります。

違い②代表者が保有している国家資格が異なる

代表者が税理士資格のみを持っているか、公認会計士資格も併せ持っているかという違いもあります。

保有資格の組み合わせによって、対外的にアピールしたい専門分野が変わってきます。

税理士資格だけを保有して開業した場合は、法律に従って税理士事務所と名乗るケースがほとんどです。

ただし、公認会計士資格を持つ人が税理士登録も行って開業した場合は、監査業務や財務コンサルティングもできることを示すために会計事務所という名称を好んで使う傾向にあります。

看板に掲げられた名称を見ることで、事務所の所長がどのような国家資格をベースに事業を展開しているかをある程度推測することが可能です。

違い③独占業務や対応できる専門分野が違う

会計事務所と税理士事務所とでは、税務代理を中心に行うか、監査業務まで対応できるかという専門分野の広さにも違いがあります。

税理士事務所では、納税者の代わりに確定申告を行ったり税務調査に立ち会ったりする、税務関連の独占業務が主軸です。

一方、公認会計士が代表を務める会計事務所であれば、大企業の財務諸表が正しいかどうかを第三者の立場でチェックする監査業務を扱うことが可能です。

日常的な経理サポートは共通していても、根本となる国家資格の権限によって提供できる高度な専門サービスの内容は異なります。

税理士事務所(個人)と税理士法人の違いは?

税理士事務所と税理士法人の違いには、主に以下があります。

  • 個人事業主か法人かという組織形態の違い
  • 依頼者側から見たメリットとデメリットが異なる
  • 従業員側から見たキャリアや働き方の条件が違う

それぞれ詳しく解説します。

違い①個人事業主か法人かという組織形態の違い

経営の主体が個人にあるか、独立した法人格を持っているかという組織形態が異なります。

個人の事務所は一人の税理士がいればすぐに開業でき、個人の名前や好きな屋号を用いて事業をスタートさせることが可能です。

法人として設立する場合は、二人以上の有資格者が集まる必要があり、株式会社などと同じように法務局へ登記を行って一つの企業として活動します。

代表者個人の事業として小回りを効かせるか、法人という枠組みで組織的な基盤を構築するかという点が大きな違いと言えます。

違い②依頼者側から見たメリットとデメリットが異なる

依頼者から見た場合、きめ細やかな対応を求めるか、組織的な安定感を求めるかで評価が変わります。

個人の税理士事務所に依頼すると、代表者が直接担当してくれる確率が高く、親身な相談に乗りやすいというメリットがある一方で、担当者の変更がきかないというデメリットが生じます。

税理士法人に依頼した場合は、複数の専門家による多角的なアドバイスを受けられのがデメリットです。

ただし、担当者不在時も組織全体でカバーしてもらえる安心感がありますが、費用が割高になる傾向があります。

コストや親密さを重視するか、長期的な取引の安全性を重視するかによって選択すべき形態は異なります。

違い③従業員側から見たキャリアや働き方の条件が違う

働く側にとって、幅広い業務を経験できる環境か、専門性を高めて昇進を目指す環境かという違いがあります。

個人の税理士事務所に勤務すると、記帳代行から決算書の作成まで一連の業務を一人で完結させるスキルが身につきやすく、将来の独立に向けた実践的なトレーニングになります。

一方、税理士法人の場合は部署が細かく分かれていることが多く、特定の税務分野に特化した知識を深めたり、管理職へステップアップしていく明確なキャリアパスが特徴です。

将来独立したいのか組織内で安定してキャリアを築きたいのかによって、選ぶべき職場環境は大きく変わります。

大手事務所(Big4など)と税理士法人の違いは?

「Big4」とは、税理士法人の中でも、世界的な会計事務所ネットワークに所属する日本国内の4大税理士法人(デロイト、KPMG、PwC、EY)のことです。

Big4では、数百名以上の専門家がチームを組み、海外進出や国際税務といった非常に複雑で規模の大きなプロジェクトを同時進行で処理していくことが特徴です。

ここからは、Big4と税理士法人の違いについて解説します。

  • 担当する顧客(クライアント)の企業規模が異なる
  • 経験できる業務の幅広さや専門性が違う
  • 組織の風土や働き方・企業文化に差がある

違い①担当する顧客(クライアント)の企業規模が異なる

Big4と税理士法人では、ターゲットとしている顧客層の売上規模や上場の有無が全く異なります。

組織のキャパシティと提供できる専門知識のレベルが、顧客のニーズと連動しているためです。

大手事務所の主な顧客は国内外に多数のグループ会社を持つ上場企業や、多国籍に事業を展開する外資系企業となり、莫大な資産規模を誇るクライアントが中心となります。

一方で、一般的な税理士法人は、地域の飲食店や小売店から中堅の製造業まで、非上場の中小企業や個人事業主を主な顧客として抱えています。

大企業向けの高度な案件をこなすか、中小企業の身近なパートナーとして伴走するかという顧客層の違いが明らかです。

違い②経験できる業務の幅広さや専門性が違う

Big4と税理士法人は、一つの案件に対して深く狭く関わるか、企業全体の状況を広く浅く把握するかという違いもあります。

Big4などの大手事務所で働く場合、金融業界の税務や組織再編の税務といった、非常に限定された分野のスペシャリストとして深い知識を身につける働き方が多いです。

一方、通常の税理士法人では、一人の担当者が顧客の経理から決算、年末調整や社会保険の手続きまで多岐にわたる業務を横断的に経験することになります。

高度な特定分野の専門性を磨くか、ゼネラリストとして企業経営の全体像を把握するスキルのどちらを身につけるかで違いがあります。

違い③組織の風土や働き方・企業文化に差がある

Big4と税理士法人は、外資系特有の実力主義か、国内企業特有の家族的な社風かという文化の違いもあります。

Big4などの大手税理士法人は外資系企業と提携していることが多く、語学力が求められるだけでなく、成果に応じたシビアな昇進競争が日常的に行われる風土が根付いています。

一方、比較的小規模な税理士法人では、代表者との距離が近く、アットホームな雰囲気の中で従業員同士が助け合いながら長期間にわたって働き続ける文化が特徴です。

働く側にとっては、競争環境の中で自身のキャリアを切り拓くか、安定した人間関係の中で着実に経験を積むかという違いがあります。

会計事務所・税理士事務所の主な業務内容

会計事務所・税理士事務所の主な業務内容はおおよそ同じで、以下の通りです。

  • 帳簿作成を代行する記帳代行業務
  • 税務署へ提出する決算・申告・巡回監査業務
  • 経営課題を解決する相談・コンサルティング業務

それぞれ詳しく解説します。

業務①帳簿作成を代行する記帳代行業務

会計事務所も税理士事務所も、企業の日々の取引記録を会計ソフトに入力し、正確な帳簿を作成することが代表的な業務です。

毎月まとまった量のレシートや預金通帳のコピーを顧客から預かり、勘定科目ごとに分類しながら日付順に入力して試算表という一覧表を作成していきます。

特に、経理担当者を雇う余裕がない小規模な企業や個人事業主が、本業に集中するための重要なアウトソーシングとしての役割があります。

業務②税務署へ提出する決算・申告・巡回監査業務

一年の総決算を行い、国や自治体へ納める税金の額を計算して申告手続きを完了させることも、会計事務所・税理士事務所の主な業務です。

定期的に顧客の元を訪問する巡回監査で帳簿の正確性を確認し、事業年度が終わると同時に決算書を組み上げ、法人税や消費税の申告書を作成して税務署への提出を代行します。

税金の計算は毎年改正される複雑な税法を正確に理解する必要があるため、専門家の知識が最も活きる場面となります。

業務③経営課題を解決する相談・コンサルティング業務

経営課題を解決する相談・コンサルティング業務も、会計事務所・税理士事務所の業務のひとつです。

作成された会計データをもとに、企業が抱える問題点を分析して解決策を提案することが、事務所における付加価値の高い業務となります。

売上が伸び悩んでいる企業に対して、経費の無駄を指摘して利益率の改善を促したり、銀行から融資を受けるための説得力のある事業計画書の作成を支援したりなど、活動は多岐にわたります。

単なる計算屋の枠を超え、外部の最高財務責任者のような立場で経営者の悩みに寄り添う役割が期待されています。

会計事務所と税理士事務所どこに依頼すればいい?事務所を見つけるポイント

会計事務所と税理士事務所どこに依頼すればか迷ったときは、次のポイントで事務所を見つけましょう。

  • 担当者とのコミュニケーションが取りやすく相性が良い
  • 自社の業界や希望する依頼業務に強みを持っている
  • 提供されるサービスに対して料金が適切である

長期間にわたって会社の重要な内部情報に関わるパートナーを選ぶことになるので、契約前に無料相談を活用して直接対話をすることが大切です。

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

ポイント①担当者とのコミュニケーションが取りやすく相性が良い

話しやすさや連絡の取りやすさが、信頼関係を構築するための最重要ポイントとなります。

質問をした際に専門用語を並べて一方的に話すのではなく、経営者の目線に合わせて、素人にも理解できる言葉で丁寧に解説してくれる担当者が理想的です。

また、メールやチャットでの返信が早く、ちょっとした疑問でも気兼ねなく投げかけられる関係性が築けるかどうかでストレスの度合いも大きく変わります。

能力の高さだけでなく、人間的な相性の良さが長期的なビジネスパートナーとしての相性につながります。

ポイント②自社の業界や希望する依頼業務に強みを持っている

特定の業種に対する知識の深さや、得意とする業務領域が自社のニーズと一致しているかを確認することが不可欠です。

例えば、飲食店の多店舗展開を支援した実績が豊富な事務所や、医療法人の設立手続きに特化した事務所など、それぞれが異なる得意分野を持っていることは少なくありません。

そのほか、自社が建設業であれば工事進行基準などの特殊な会計ルールに明るい担当者を選ぶことで、的確な経営判断のサポートを受けることが可能になります。

自社が直面している課題を解決できる具体的なノウハウを持っているかどうかが、実務における満足度を決定づけます。

ポイント③提供されるサービスに対して料金が適切である

支払う報酬の額が、受けられるサポートの質や量と見合っているかを冷静に判断することも大切です。

安さだけを追求すると必要な業務が含まれておらず、後から追加費用が発生するトラブルに発展することも考えられます。

特に、月額の顧問料が数千円と格安に設定されている場合、記帳代行や定期的な面談がオプション扱いとなっており、結果的に相場よりも割高になってしまう可能性もあり注意が必要です。

見積書を提示された際には合計金額だけを見るのではなく、どの業務が基本料金に含まれているのか内訳を細かく確認しましょう。

税理士と会計士で儲かるのはどっち?

これから資格取得を目指す人の中には、税理士と会計士はどちらが儲かるのか気になるという人もいるのではないでしょうか。

結論から言えば、資格の種類よりも個人のビジネス手腕や所属する組織の規模によって収入は大きく変動するため、一概にどちらが儲かると断言することはできません。

両者ともに独立開業して成功すれば、数千万円の年収を得ることが可能である反面、勤務医のような安定を求める働き方を選ぶこともできるためです。

特に、公認会計士の場合は大手の監査法人に入所して高水準の初任給からキャリアをスタートさせることが多く、若手のうちは比較的高収入を得やすい傾向があります。

一方で、税理士は独立開業して顧問先を多数獲得したり、経営コンサルティングなどの付加価値の高いサービスを提供したりすることで、青天井の収入を目指すことが可能です。

それぞれの資格には異なる稼ぎ方のモデルが存在しており、どちらの資格を取得したとしても最終的な年収を決めるのは本人の営業力や経営センスに委ねられています。

単なる資格の優劣で決めるのではなく、専門性をどのように社会のニーズに適合させていくかが重要です。

まとめ

会計事務所と税理士事務所は法律上の正式名称か俗称かという違いがあるだけで、日常的に提供される経理や税務のサービス内容に決定的な違いはありません。

どちらの看板を掲げていても企業活動に不可欠なお金の管理を支え、正しい申告をサポートするという根本的な目的は共通しています。

ただし、将来的に株式上場を目指す際の監査対応が必要であれば公認会計士の領域となり、会社の状況に応じて適任者が変わる点には注意が必要です。

自社の成長フェーズや抱えている課題を明確に把握し、最適な専門性を持ったパートナーを選びましょう。

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